印刷

お知らせ・情報

既存薬再開発による肺腺癌の新規治療戦略 ~癌悪性化の原因タンパク質を標的とした治療薬の開発~

2019/02/07

筑波大学 医学医療系 野口雅之教授、柴綾助教と国立研究開発法人産業技術総合研究所創薬分子プロファイリング研究センター 広川貴次研究チーム長らの研究グループは、肺腺癌において過剰に発現しているタンパク質stratifin(SFN)が、癌細胞の増殖を促す腫瘍性タンパク質群の分解を抑制することで肺腺癌の悪性化を引き起こしていることを明らかにしました。

肺癌は国内における癌死原因の第一位であり、なかでも肺腺癌は最も発生頻度の高い組織亜型です。肺腺癌は前癌病変や非浸潤性の上皮内癌を経て、多段階的に悪性化することが知られています。上皮内癌は術後5年生存率が100%であるのに対し、小型であっても浸潤性腺癌になると4分の1の患者は死亡します。

本研究グループは、すでに他の効能で臨床使用されている薬剤群に候補を絞ってSFN阻害薬を探索し、“既存薬再開発”で新たな抗がん薬剤開発が可能であることを示しました。SFNは初期癌の段階から広く発現しているタンパク質のため、進行癌に限らず、これまで外科手術以外の治療法が確立されていなかった初期肺腺癌に対する薬物治療として、SFN阻害薬が有望な候補であると言えます。

(図 SFN阻害薬を用いた肺腺癌治療戦略の構想)

PDF資料

このページのトップへ