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ウニもヒトも腸の幽門開口は類似の仕組みで制御されている ~一酸化窒素による幽門開口メカニズムの進化~

2019/03/05

筑波大学 生命環境系 下田臨海実験センター 谷口俊介准教授と谷口順子研究員(日本学術振興会特別研究員)は、バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)を用いて、その幼生期の胃腸において、幽門の開口は一酸化窒素によって制御されており、その近傍には神経型一酸化窒素合成酵素を発現している内胚葉由来の神経様細胞が存在していることを明らかにしました。

今回の成果により、後口動物の共通祖先では一酸化窒素を利用した幽門開口の制御システムが既に獲得されており、それは、内胚葉由来の神経様細胞によって制御されていた可能性が強く示唆されました。このことは、ヒトを含む脊椎動物においても、消化管制御に関わる内胚葉由来の神経が新たに発見される可能性や、幽門開口の制御システムが進化の過程でどのように神経堤細胞由来のシステムへと移行していったのかを議論する上で重要なヒントを与える成果です。

一酸化窒素は幽門開口をコントロールしている。(A)正常なウニ幼生は消化管にエサである珪藻を大量に取り込み(白矢尻)、消化・栄養吸収をして14日目には後期6腕幼生になる。(B)神経型一酸化窒素合成酵素の機能を阻害された幼生では、胃まではエサが入るが(黒矢尻)幽門開口がスムーズにいかないため、多くを取り込むことができない。そのため、消化や栄養吸収に不具合を生じ、エサを一切与えていない幼生と同程度にしか成長できない。

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