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カラクシンの欠損が繊毛病の発症を引き起こす ~海産生物から脊椎動物まで保存された繊毛調節機能~

2019/06/20

筑波大学生命環境系(下田臨海実験センター)の稲葉一男教授、佐々木恵太元大学院生、柴小菊助教、中村彰宏元研究員らは、大阪大学微生物学研究所伊川正人教授、佐藤裕公元講師、国立成育医療研究センター細胞医療研究部宮戸健二博士、東京大学大学院医学系研究科吉川雅英教授、明治大学農学部河野菜摘子准教授、本学生命環境系馬場忠教授、基礎生物学研究所野中茂紀准教授、愛知教育大学上野裕則准教授らの各研究グループと共同で、繊毛のカルシウムセンサーであるカラクシンが繊毛病の発症に関わることを明らかにしました。

カラクシンは、鞭毛や繊毛の分子モーターであるダイニンのカルシウムセンサーで、海産生物であるホヤで発見されました。ホヤでは、カラクシンが鞭毛の波形制御を介した精子の走化性(卵に向かって動いていく現象)に必要であることが明らかにされています。しかし、脊椎動物における機能は不明でした。今回、本研究チームは、カラクシンを欠損したマウスおよび魚類を用いた解析により、カラクシンが欠損しても鞭毛や繊毛は正常に形成され、運動も活発に見られるものの、屈曲波形の伝播が異常になること、その結果、水頭症や内臓逆位といった繊毛病を引き起こすことを明らかにしました。本研究は、繊毛運動のカルシウム調節が生物で保存されていることを示したことに加え、繊毛病発症のメカニズムを解明する上でも重要な成果であり、医学など他分野への貢献が期待されます。

図 左:カラクシン欠損マウスの脳室上衣細胞の繊毛と内部構造(上・中)は正常と変わらないが、波形に異常が見られた(下)。中:水頭症と内臓逆位(模式図)。右:カラクシン欠損マウスの約半分の個体に水頭症や内臓逆位が見られた。

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