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人間の活動が河川の環境修復を促進する ~福島原発事故後の河川放射性物質長期モニタリング結果から~

2019/09/27

筑波大学 生命環境系 恩田裕一教授、福島県、京都大学 大学院総合生存学館 山敷庸亮教授の研究グループは、阿武隈川水系と福島県浜通り地区の河川において、東京電力福島第一原子力発電所の事故影響評価のためのモニタリング調査を実施しています。そのうち、阿武隈川水系に位置する長期モニタリングサイトで、2011年6月から2015年8月の5年間にわたって取得したデータの解析を行いました。その結果、これら6地点における、懸濁態放射性セシウム注1の濃度が、事故後5年目までに、チェルノブイリ原発事故後のプリチャピ川の約3分の1~21分の1となっていたことがわかりました。

この違いは、懸濁態放射性セシウムの濃度が、事故後1年間に急激に減少したことに起因します。濃度低下が顕著だった流域では、水田・畑・都市域などの人間活動の影響がある土地利用形態が多く、人間の活動により、放射性物質の下方浸透や流出(浄化)が促進されていると考えられます。また,事故後3年目以降では除染の影響がみられた地点もありました。

このことは、福島の陸域がヨーロッパの知見から考えられていたよりも速く浄化していることを示しており、福島の環境修復が進んでいることが明らかとなりました。

図 本研究の主要な成果を現した模式図。人間活動のない森林よりも、人間活動のある地域(水田・畑・都市=PFU)の方が懸濁態放射性セシウム濃度の低下速度が速いことがわかりました。また、阿武隈川から海に流出した放射性セシウムの約85%が、面積比で38%程度しかない水田・畑・都市起源であったこともわかりました。

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