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コンブやワカメを含む巨大生物群の系統関係を解明~ストラメノパイル生物群の初期進化の理解が進む~

2019/10/08

筑波大学生命環境系石田健一郎教授、筑波大学大学院生命環境科学研究科のRabindra Thakur氏(現:マサチューセッツ大学)、筑波大学生命環境系研究員の白鳥峻志博士(現:海洋研究開発機構)らの研究グループは、真核生物の主要系統群(スーパーグループ)の一つであるストラメノパイル生物群の初期進化の一端を解明することに成功しました。

ストラメノパイル生物群は、コンブやワカメなどの褐藻類や珪藻類などを含む巨大系統群の一つで、進化的、生態的、産業的に重要な生物群です。しかし、ストラメノパイル生物群については、進化的系統の根元(ルート)の特定も含めて初期進化について不明瞭な点が多く残り、この生物群の進化を理解する上での課題となっていました。

研究グループは、本系統群の初期に分岐したと考えられる3種類の捕食栄養性原生生物(Incisomonas marina、Pseudophyllomitus vesiculosus、Platysulcus tardus)のトランスクリプトームデータを取得し、120個のたんぱく質コード遺伝子を用いて系統解析をやり直しました。その結果、Pl. tardus がストラメノパイル系統群において最も初期に分岐したことが明らかになりました。また、ストラメノパイル生物群のルートが Pl. tardus とその他のストラメノパイルの間にあること、Ps. vesiculosus が、これまで実体不明の初期系統群の一つとされていたMAST-4 系統群の姉妹群であること、などが強く示されました。
これにより、ストラメノパイル生物群を特徴付ける主要形質(管状マスティゴネマ(鞭毛に付随する毛状構造)や鞭毛移行帯にらせん構造が存在すること、細胞腹面の溝がないことなど)が進化のどの段階で獲得されたかが明らかになりました。

本研究成果は、系統関係解明の鍵となる三つの生物を見極め、確実なデータ取得と詳細な系統解析によりもたらされたもので、真核生物の主要系統群の一つであるストラメノパイル生物群の初期進化の理解に大きく貢献しました。

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