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TSUKUBA FRONTIER

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未来構想大学を標榜する筑波大学は、様々な分野で第一人者として活躍する多くの研究者を擁しています。ここでは、筑波大学を代表する研究者たちの、これまでの道のりや教育研究活動への思いを通して、各分野をリードし、新しい時代を切り拓く者の姿に迫ります。(本学広報誌「ツクコム」より転載)


(肩書きなどは取材時のものです)

#019 コミュンケーションする微生物たち その「言語」を読み解き、人類との共生の新たなフェーズを拓く
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生命環境系 野村 暢彦(のむら のぶひこ)教授
感染症の原因となるウィルス、腸内環境を整える細菌など、人体に直接、影響を及ぼすだけでなく、食品の発酵や腐敗をもたらしたり、水処理や土壌改良にも利用される微生物。良くも悪くも、人間は微生物とのインタラクションの中で生きています。その仕組みを探っていくと、1個の細胞にすぎない微生物が集団として持つコミュニケーション能力と生存戦略に驚かされます。集団微生物の力を引き出し、制御できれば、人間とのより良い共生の道が拓けるはずです。
#018 材料の基本物性を探索する 着実な理解から導かれる革新的エネルギー技術
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数理物質系 守友 浩(もりとも ゆたか)教授
携帯電話やパソコンなどのモバイル機器は、もはや日常生活の必需品です。それらは、高性能で小型化された電池があるからこそ、製品として完成され、普及してきました。知らず識らずのうちに、私たちの暮らしの中で重要な役割を果たしている電池。しかしその性能が発現するメカニズムは、必ずしも十分に解明されているわけではありません。そこに使われる材料の性質を深く理解することにこだわり、その先の新しい技術を見据えます。
#017 人の存在こそが人を癒す ~対話がクスリになる新しい精神医療を目指して~
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医学医療系 斎藤 環(さいとう たまき)教授
引きこもりやヤンキー文化。これらは単に社会現象を評論するためのキーワードではありません。不登校や家庭内暴力など、病気とも言えない社会不適応状態やその背景を客観的に理解することは、そういう悩みを抱える人々のケアにあたる際にはとても重要です。精神科医として、メディア出演や執筆活動をこなしつつ、全く新しい考え方に基づいた、対話による精神医療の方法を確立、導入すべく、研究と診療に精力的に取り組んでいます。
#016 ともに学ぶよろこび ~人がつくる教育の真髄を求めて~
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人間系 片平 克弘(かたひら かつひろ)教授
得意な教科と苦手な教科―学校での勉強の好き嫌いは、往々にしてその教科を教えてくれる先生によって決まるものです。教え方や接し方には相性があり、自分にとっての「良い先生」との出会いは、学びの対象への興味関心を広げるきっかけになります。どの先生も、より良い教育のために様々な試行錯誤をしていますが、教室全体に常に目を配るのは大変です。子どもたちの学びの実相を捉え、力を伸ばすための支援の方法を、メタ視点から探ります。
#015 政治を科学的に捉える ~投票行動から探る日本人のイデオロギー~
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人文社会系 竹中 佳彦(たけなか よしひこ)教授
イデオロギー。専門家でなければ口にすることさえ滅多にない言葉かもしれません。私たちは選挙のたびに、いろいろな政策や主張を比較し、最も良いと思える政党や候補者を選びます。この「最も良い」という判断の基礎となる価値観がイデオロギーです。日本では政党や政策の対立軸が曖昧になり、イデオロギーを声高に論じることが少なくなりましたが、投票行動や政治意識をじっくり分析すると、現代日本人のイデオロギーが見えてきます。
#014 喪失から再生へ こころを守るスペシャリスト
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医学医療系 高橋 晶(たかはし しょう)准教授
命にかかわるような経験や、家族や財産を失うといった出来事は、誰にでも起こり得ます。自然災害もそのひとつ。被災者は身体だけでなくこころにも大きなダメージを受けます。しかし防災用品は予め準備していても、こころの備えはなかなか難しいものです。精神医療チームを率いていち早く被災地に向かい、災害によって引き起こされる悲しみや憤り、怒りからくるストレスを乗り越えられるよう、人々のこころを支える最前線に立っています。
#013 漢字の書を学問する 筆文字の造形追求による自己の発見
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芸術系 中村 伸夫(なかむら のぶお)教授
筑波大学は、東京教育大学以来、芸術としての「書」の専攻コースを有する国内で唯一の大学です。その点では、書は特殊な領域かもしれませんが、文字の成り立ちを学び、筆で文字を書くことは、日本の伝統や文化の基盤の一つでもあります。紀元前のはるか昔に作られ、変化しながらも脈々と伝えられてきた、何千にも及ぶ漢字や書の歴史を探究し、同時に、一人の書家として、文字と向き合い、作品制作に臨んでいます。
#012 古文書・公文書から災害の記録まで グローバルスタンダードで地域の歴史をつなぐ
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図書館情報メディア系 白井 哲哉(しらい てつや)教授
地域の歴史を伝える古文書などのさまざまな資料が、その土地の役場や旧家に保存されています。それらがどこで、どのように保管されてきたか、という情報は、資料そのものの意味付けに大きく関わります。それは、美術品のような文化財や古い時代の文書だけでなく、新たに作られたり集められたりした資料であっても同じです。残された資料とその状態を、実物とデジタルデータの両方の形態で記録し、保存・活用していくためのスタンダードを構築しています。
#011 病院で加速器が動き出す日 中性子が拓く次世代がん治療の最前線
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医学医療系 熊田 博明(くまだ ひろあき)准教授
早期発見・早期治療ががん治療の基本です。しかし、治療が難しい部位や再発といった課題は常につきまといます。そんな中で注目されているのがホウ素中性子捕捉療法。放射線治療の一種ですが、正常な組織に与えるダメージが少なく、手術が困難な部位や、悪性のがんに対して効果の高い治療方法として期待されています。医学物理士として、そのための加速器開発に携わり、さらに治療方法の確立に向けて、医療との橋渡し役を担っています。
#010 「使いやすさ」の正体を探る ~高齢者の眼差しが生きる学びあいのコミュニティ~
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人間系 原田 悦子(はらだ えつこ)教授
操作がしにくい、使い方が分からないー日常生活でそんな経験は珍しくありません。新しい道具やシステムが次々に登場する現代社会では、それらを使いこなすための学習と、誰もがより使いくするための工夫が求められています。そのヒントをくれるのが高齢者の視点。研究者・高齢者・企業が自由に参加できるコミュニティを形成し、開発者が気付かない使いにくさのポイントを見つけ、使いやすさを決める認知プロセスを探っています。
#009 栄養・出産・寿命 遺伝子に刻まれた「普通の営み」の暗号を解く
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生命領域学際研究センター(TARA) 深水 昭吉(ふかみず あきよし)教授
「バランスの良い食事」が大切なことは誰でも知っています。しかしどの栄養素がどんな働きをしているか、科学的に説明するとなると、必ずしも十分な知見はそろっていません。正常な妊娠・出産のしくみや、生物の寿命を決定する要因も同様です。これら当たり前に思える現象こそ、精緻な制御のもとで脈々と続いてきた生命活動の証。この、普通を普通たらしめるメカニズムを、遺伝子レベルで解き明かそうとしています。
#008 実在しない世界を実感する 人と工学システムの絶妙なインタラクション
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システム情報系 岩田 洋夫(いわた ひろお)教授
五感の中でも触覚には、温度や質感など皮膚の表面で感じるものだけでなく、重さや硬さなど筋肉で捉える「手ごたえ」の感覚(体性感覚)があります。これは、行動に対する応答、つまり人と世界とのインタラクションから生まれる、重要な感覚です。体性感覚をよりリアルに再現し、あたかもそこに「モノ」があるという感覚、それを思い通りに動かしているという実感の得られるバーチャル世界をつくる、それがバーチャルリアリティー学です。
#007 世界遺産を通して持続可能な社会の達成に貢献する
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芸術系 稲葉 信子(いなば のぶこ)教授
現在、日本では18件の世界遺産が登録されており、さらに登録候補として11件が暫定リストに掲載されています。世界遺産は今や、最高の観光地ブランドとして認知されるようになっていますが、本来の趣旨は戦争や開発から世界の文化資源・自然資源を守ること、そのための国際協力にあります。国際専門家として世界遺産の申請や審査に携わり、保護すべき普遍的価値の見極めや持続可能な開発の在り方を探っています。
#006 いよいよ花開く藻類研究 バイオマスの秘められたパワーを世界へ
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生命環境系 渡邉 信(わたなべ まこと)教授
藻類バイオマスから燃料や化学製品の原料を取り出す研究は、筑波大学を代表する先進的な研究プロジェクトのひとつです。2014年3月には、大規模実証施設が完成し、藻類が創出するオイルは実用化に向けて大きな一歩を踏み出しました。生命環境系の渡邉信教授はこのプロジェクトの代表者、また、藻類バイオマス研究のパイオニアとして、研究の推進と産学連携の枠組み作りに取り組み、さらにその成果を社会へ還元しようと、精力的に活動しています。
#005 小さな命をひとつひとつ救う 医療の最前線を支える大きな信頼と判断力
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医学医療系 平松 祐司(ひらまつ ゆうじ)教授
2013年5月、体重わずか1000gで生まれたその赤ちゃんの心臓には、直径1cmほどの穴が開いていました。半年以上に及ぶ治療の間、2度の手術と24時間体制のケアにより、奇跡的にその命を救ったのが筑波大学附属病院小児ICUの医療チームです。これほどの小さな赤ちゃんに対する心臓手術は世界的にも稀で、難しい判断の連続でした。この手術を執刀し、チームを率いた医学系の平松祐司教授。小児心臓血管外科医として、今日も小さな命と向き合っています。
#004 国家とは何か 古典的な視点から現代の憲法を読み解く
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ビジネスサイエンス系 大石 和彦(おおいし かずひこ)教授
国の基本的な仕組みを定める憲法。その解釈や改正を巡る議論は折に触れて話題になります。また最近では、選挙や相続などさまざまな格差・不平等に対する憲法判断も社会的な関心事となっています。しかし多くの人にとって、憲法そのものについて考えたりする機会はなかなかありません。憲法は観念的な存在でありながら、現実の国民生活の基盤となるものです。ビジネエンス系の大石和彦教授は、観念と現実との狭間にある憲法の本質を探究しています。
#003 ひとつの分子が世界を帰る ~基礎化学はチャンスに満ちた世界~
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数理物質系 関口 章(せきぐち あきら)教授
有機ケイ素化合物ー特殊な物質のように思えますが、シリコーンといえば誰でも想像がつくでしょう。クッション材、潤滑油、コーティング剤といった汎用品から電子部材や医療用などの高機能素材まで、現代社会に不可欠な物質です。そのカギとなる元素がケイ素。数理物質系の関口章教授は、有機ケイ素化合物の研究を通して、化学結合論において教科書を書き換えるほどの大きなブレークスルーをもたらし、今もなお、その新たな可能性に挑み続けています。
#002 コンテンポラリーダンス それは知的好奇心を揺さぶる身体の冒険
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体育系 平山 素子(ひらやま もとこ)准教授
人は、言葉を持つ以前から、本能的なコミュニケーションの手段として、ダンスでさまざまな表現を行ってきました。それは次第に形を変え、娯楽やフィットネスから芸術作品まで、たくさんの人が楽しみ、競い、創造する現代の文化となっています。コンテンポラリーダンスの世界で、ダンサー·振付家として幅広く活躍する体育系の平山素子准教授に、ダンスの魅力、そして可能性について語っていただきました。
#001 「なぜ眠るのか」 その謎が解ける夜明け前の予感
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国際統合睡眠医科学研究機構 柳沢 正史(やなぎさわ まさし)機構長・教授
「眠る」というのはあらゆる動物に共通の行動ですが、睡眠の機能や制御のしくみは、実はまだ何もわかっていません。睡眠メカニズムの解明は、不眠症や睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害の根本的治療への道を拓きます。
文部科学省の「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」に採択され、2012年12月に設置された国際統合睡眠医科学研究機構を率いる睡眠科学の第一人者、柳沢正史教授にお話を伺いました。

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