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林純一教授が第24回つくば賞を受賞

2013/11/26

11月26日,第24回つくば賞(茨城県科学技術振興財団,つくばサイエンス・アカデミー主催)の授賞式がつくば国際会議場で開かれ,本学生命環境系の林純一教授に同財団の江崎玲於奈理事長から賞状と盾,副賞が贈られました。

つくば賞は,理工学・生命科学などの分野で世界的に評価を受ける研究成果を収めた茨城県内の研究者に与えられる賞です。林教授は,哺乳類ミトコンドリアゲノムの生理基盤とその破綻病理に関する研究成果が認められました。

 

林純一教授の受賞コメント

先日(7月8日),「つくば賞」のヒアリングを終えてから歴代の受賞者を拝見したところ素晴らしい研究成果をあげている方ばかりでしたので,受賞は無理だと思っていました。しかし先ほど事務の方から「つくば賞の受賞が決定した」との連絡があり,びっくりしたと同時に,自分の研究成果を高く評価して頂いたことが本当に嬉しくなりました。

実際のところ,これまでの研究成果の多くは従来の定説を否定するようなネガティブデータが多かったので,この年になるまで研究成果での受賞歴は皆無でした。自分の履歴書の受賞欄には,今から10年以上前に講談社ブルーバックスから一般読者向けに出版した「ミトコンドリア・ミステリー」が講談社科学出版賞を受賞したことを記載していました。最近になって,30年以上続けてきたミトコンドリア研究からようやくポジティブなデータも得られるようになり,今回はこの部分が評価され,名誉ある「つくば賞」の受賞につながったのかも知れません。

具体的には,一般にはなじみの薄いミトコンドリアゲノムの生理的役割の全貌を解明するという研究です。私たちは核ゲノムの他にミトコンドリアゲノムを設計図として持っており,後者は生きていくために必要なエネルギーを作り出す,いわば生物の「発電所」の設計図に相当します。そこに突然変異が生じるとエネルギー産生能が低下し,がんや老化の原因になるというのが定説です。これに対し,ミトコンドリア間には相互作用が存在し,これがエネルギー産生能低下を回避するためミトコンドリアゲノムは老化やがん化には関与しないということ,さらに活性酸素を出すような突然変異はがんの悪性化を誘発するが,これは抗酸化剤で十分に回避できることを証明しました。

このような研究成果を達成できたのは,学位取得と同時にパーマネントポストを提供してくれた埼玉県立がんセンター研究所とそこでの競争の激しい研究,そしてその後転任した筑波大学での学生たちに囲まれた自由な研究環境のおかげだと思います。なぜなら,おそらく現代の様に研究開始後数年以内に社会に発信できる研究成果が常に要求される時代では自分の能力を存分に発揮することはできなかっただろうと思うからです。

最後になりますが,「つくば賞」の申請を推薦して頂きました白岩善博 生命環境系長,橋本哲男 生物科学専攻長,推薦書の執筆をして頂いた中田和人 教授,そしてヒアリング会場で貴重なご助言を賜った永田恭介 筑波大学学長に心から御礼申し上げます。

 

表彰される林純一教授(右)

表彰される林純一教授(右)

左から江崎玲於奈茨城県科学技術振興財団理事長,林純一教授,橋本昌茨城県知事

左から江崎玲於奈茨城県科学技術振興財団理事長,林純一教授,橋本昌茨城県知事

 

 

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