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受賞・表彰

東北大学金属材料研究所 第8回研究部共同利用・共同研究 若手萌芽研究最優秀賞
数理物質系  飯田 崇史

(受賞日:2020.10.06)
数理物質系の飯田崇史助教が東北大学金属材料研究所の「第8回研究部共同利用・共同研究 若手萌芽研究最優秀賞」を受賞しました。

この賞は、東北大学金属材料研究所の共同利用・共同研究で優れた成果を上げた若手研究者に対し、研究意欲を高め、更なる研究の展開を支援し、材料科学研究分野の発展に資することを目的として授与されるものです。

研究題目: 二重ベータ崩壊探索用シンチレータ結晶の新規開発

研究代表者:飯田崇史(筑波大学)
研究分担者:水越彗太(神戸大学)、吉野将生(東北大学)

概要: ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊の観測は、素粒子ニュートリノの本質に迫り、物質の起源解明に関わるため、現代物理学において非常に重要な研究です。もし発見されれば宇宙が反物質でなく、物質で形成されている事実を理論的に説明出来ます。この二重ベータ崩壊の探索には高いエネルギー分解能を持つ検出器が不可欠です。そのため、シンチレータ結晶材料開発に高い実績を持つ東北大学金属材料研究所の吉川研究室と共同で、二重ベータ崩壊原子核(48Ca, 96Zr, 160Gd等)を含み、かつ発光量が大きく分解能が高いシンチレータの開発を行いました。
その結果、CaI2というシンチレータの開発に成功し、一般に用いられるプラスチックシンチレータと比較して約10倍の大発光量(107,000 [ph./MeV])と高い分解能を達成しました[論文1]。また、CaI2シンチレータにα線/γ線を照射し、その波形を調べることで、CaI2の高い粒子波形識別能を初めて明らかにしました[論文2]。さらに、CaI2のヨウ素(I)を一部臭素(Br)に置き換えたCa(Brx,I1-x)2シンチレータの開発[論文3]や、160Gdを含む(Ce0.005, La0.245, Gd0.75)2Si2O7 というシンチレータの性能評価[論文4]を行いました。以上の研究成果とその将来性が高く評価され、今回の受賞に至りました。現在は、開発した結晶の実用化に向けた研究や、新たにZr含有シンチレータの開発および特性評価を進めています。

[論文1] “Single crystal growth and scintillation properties of Ca(Cl, Br, I)2 single crystal”

[論文2] “High-light-yield calcium iodide (CaI2) scintillator for astroparticle physics”

[論文3] “Crystal growth and scintillation properties of Eu-doped Ca(BrxI1–x)2 crystals”

[論文4] "Pulse-shape discrimination potential of new scintillator material: La-GPS:Ce"



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