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教育

年度: 20112010 | 2009 | 2008

本講義は,大学で学ぶべきことや自分の今後の生き方についてじっくりと考えてみる機会を受講生に提供するとともに,明確な目的意識をもって自律的に学習していくことができるように,大学生活と学問への道案内をすることを目的としています。
また,学長をはじめ本学に関係する優れた研究者が,自らの学問と人生体験を語ることにより,日本及び世界において次世代の指導者となりうる有能な若者を育成する機会ともしています。講師となる方々は自身の専門を踏まえながら,皆さんの今後の大学生活,将来の研究生活に参考となる講義をいたします。

講義日程と概要

日時:木曜日 6時限(16:45~18:00)
場所:大学会館講堂(入学式の会場です。)

※2008年度1学期開講。総合科目Aとして開設しますが,総合科目Aの必修(選択必修含む)6単位には算入できません。自由科目【一部学群・学類は卒業要件外】としての履修となります。)

  ※講義のビデオ配信は終了しました。
実施日 題目・担当教員 プロフィール・講義概要
4月17日 Prof.Yoichi Iwasaki
大学と学問
岩崎洋一
(本学学長)
本学教授,副学長等を経て,2004年の法人化と同時に学長に就任。現在に至る。 専門分野は,素粒子物理学,特に格子量子色力学の数値的研究と,その為の専用並列計算機の開発。 1994年には物理学で優れた成果を収めた研究者に贈られる仁科記念賞を受賞した。

最初に,学問全体を概観し,大学で学ぶことの意義を考察する。次に,学問全体の中で物理学を位置づけ,物理学の基本的な考え方と現在に於ける物理学の達成点について述べる。物理学の発展における朝永振一郎博士など本学の関係者の業績も紹介する。さらに,物理学の発展には,技術の発展が欠かせないことを,素粒子物理学者としての経験などを踏まえて言及する。最後に,物理学のフロンティアについて述べる。
4月24日 Prof.Hiromichi Yoshitake
大学と社会
吉武博通
(本学副学長,ビジネス科学研究科・教授)
新日本製鐵,本学教授,学長特別補佐を経て,2006年より理事・副学長。新日鐵では,経営・組織改革の立案・推進を担当。2003年より筑波大学で大学改革の企画推進を担当するとともに企業・大学両現場の改革実践に基づく理論化・体系化に取り組む。また,警察大学校講師,市町村職員中央研修所講師等も務めている。専門分野は,経営戦略論,経営組織論,大学経営論。

企業で経営・組織改革に携わった実務経験に基づき,急速なグローバル化が進む中での日本の経済・社会の課題を概説するとともに,人類社会の未来のために大学に何が求められているのか,大学はどのような人材を育てるべきかについて大学改革の視点から論じる。それらを踏まえて,大学で学ぶことの意義について講師自身の考え方を述べ,受講生への課題提起としたい。
5月1日 Prof.Sankai Yoshiyuki
新学術領域「サイバニクス」による未来開拓最前線
山海嘉之
(本学システム情報工学研究科・教授)
筑波大学大学院(博),工学博士,日本学術振興会特別研究員,筑波大学講師,助教授,米国Baylor(ベイラー)医科大学客員教授を経て,現職。Cybernetics, Mechatronics, Informatics を中心として,脳・神経科学,行動科学,ロボット工学,IT技術,システム統合技術,生理学,心理学などを融合複合した人間・機械・情報系の新学術領域「サイバニクス」を開拓し,世界で初めて人間の身体機能を増幅・拡張する装着型のロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)を開発した。今国内外で最も注目される研究者の一人である。

人・機械・情報系の融合複合新領域【サイバニクス】は,世界最先端の国際教育研究拠点として展開されている。本講義では,人に役立つ科学技術「サイバニクス」による未来開拓最前線について,事例を交えて講究する。
5月8日 Prof.Satoru Kobayashi
基礎生物学をたのしむ

小林 悟
(総合研究大学院大学,自然科学研究機構・基礎生物学研究所・教授)
本学大学院博士課程を修了後,本学生物科学系講師等を経て現職。 発生生物学を専門とし,大学院時代から現在に至るまで,一貫して,ショウジョウバエにおける生殖細胞形成機構を研究する,新進気鋭の科学者である。2005年日本動物学会賞受賞。

「大学生」,「大学院生」そして「駆け出しの研究者」として20年余を筑波大学で過ごした。この時期は,まさに研究を志し,それを実現できた時期にあたる。頭脳明晰でもなく,学業の成績も振わなかった者が,独創性を重んじる研究の分野でどうして生きてこられたのか不思議である。本講義では,私が今まで歩んできた道を振り返り,研究者になったきっかけ,研究者として経験してきた研究の厳しさや素晴らしさ,そしてなによりもサイエンスの面白さを素直に語りたい。
5月15日 Prof.Hiromitsu Nakauchi
新しい医療を求めて
中内啓光
(東京大学医科学研究所教授)
順天堂大学講師,理化学研究所研究員,本学基礎医学系教授を経て現職。幹細胞生物学,血液学,免疫学を研究領域とし,試験管ではなく動物個体を用いて臓器を再生し,移植臓器として提供するための新しい基盤技術を開拓している。

ここ100年の間に人類の平均寿命は40年近く伸びたが,一方で高齢化や生活様式の変化はガン,アレルギーや生活習慣病といった新しい疾病の台頭をもたらした。これらの病気に対応するかのように免疫学,分子生物学,あるいは幹細胞生物学といった新しい学問が急速に発展し,臨床医学の分野に新しい医療を展開しようとしている。本講義では基礎科学と臨床医学の間に位置する医師・医学研究者としての体験を振り返って紹介したい。
5月22日 Prof.Hiromitsu Nakauchi
美術と社会

青柳正規
(国立西洋美術館長)
東京大学助手,本学芸術学系講師,東京大学教授・副学長を歴任し現職。西洋古典考古学,美術史学の第一人者であり,ヴェスヴィオ火山の大噴火により,79年に壊滅したポンペイ遺跡の発掘に携わる。近年では,ナポリ近郊のソンマ・ヴェスヴィアーナ遺跡の発掘および学際的な研究調査によって,国際的に注目されている。1993年『皇帝たちの都ローマ』で毎日出版文化賞受賞。2007年日本学士院会員。

美術が宗教と結びついていたギリシア古典期,あるいはキリスト教が社会を動かしていたヨーロッパ中世の時代,美術の表現領域は広いとはいえなかったが,きわめて重要な役割を担っていた。とくに文字を読むことができない人々に,教義を正確に伝えてたのは美術だった。そのような社会的役割は時代が下がるごとに希薄になり,その一方で表現領域は大きく拡大していった。美術の歴史的推移をたどりながら,美術と社会の関わりがどのように変化していったのかを考えてみたい。
5月29日 Prof.Sawao Kato
私のオリンピック

加藤澤男
(本学人間総合科学研究科・教授)
体操競技の技術,トレーニングに関わる研究を専門とし,主に運動形態学的アプローチを目指している。東京教育大学(現筑波大学)4年生の1968年メキシコオリンピック男子体操チームのメンバーに選ばれて以来,3大会連続でオリンピックに出場し,オリンピックで日本人最多の金メダル8個を獲得。1999年5月,国際スポーツ記者協会が選んだ「20世紀を代表する25選手」に,日本人ではただ1人選出された。

私自身がオリンピック大会を通して得たことを,一般社会的立場,個人的立場,自身の研究の立場などから体験的に述べる。 講義内容の項目はおおよそ下記のようなものになる。
(1)オリンピック大会概説,(2)オリンピック大会と体操競技,(3)スポーツ運動の追究講義
6月5日 Professor Emeritus Iriye Akira
歴史を学ぶ

入江 昭
(米国ハーバード大学名誉教授)
ハーバード大学で歴史学博士号取得。カリフォルニア大学サンタクルーズ校助教授,ロチェスター大学准教授,シカゴ大学歴史学部准教授,同教授,ハーバード大学歴史学部教授,同大歴史学部学部長等を歴任。アメリカ外交史,国際関係史を専門とし,1988年日本人として初めてアメリカ歴史学会会長に就任した国際歴史学者である。2005年瑞宝重光章。吉野作造賞及び吉田茂賞受賞。長年,本学の非常勤講師を兼任。

歴史を学ぶとはどういうことなのか。私が米国の大学に留学して学んだ歴史学とはどのようなものだったのか。そして歴史家になる決意の背景,そのためにはどのような準備や態度が必要とされたのか,などについて具体的な例を挙げながら話す。参考文献『歴史を学ぶということ』(講談社現代新書)

6月12日 Professor Emeritus Iriye Akira
学問と人生

入江 昭
(米国ハーバード大学名誉教授)
私が生まれた1934年は明治維新(1868)から66年,そして20世紀最後の年である2000年までも66年である。そのような時代に生まれ育った私たちの世代が,21世紀をこれから過ごそうとする若い世代に何を伝えうるのか。とくに大学で学習する人たちに向けて,学問の世界から問いかけ,話かける上で,人生における学問,とくに歴史学的思考の意味を考えてみたい。
6月19日 Mr. Yamamoto Kazumoto
社会が大学生に望むこと
山本一元
(旭化成(株)常任相談役)
1957年旭化成工業株式会社(現.旭化成株式会社)入社,化薬事業部を経て,1973年住宅事業,1982年住宅事業部長,1993年経営計画担当,常務取締役,専務取締役,代表取締役副社長を経て,1997年代表取締役社長に就任,2003年同取締役副会長を経て,現在同常任相談役。2005年東京瓦斯株式会社の取締役に就任。2006年東陶機器株式会社(現.TOTO株式会社)の取締役に就任。2007年シチズンホールディングス株式会社の取締役に就任。工学博士。 本学大学院ビジネス科学研究科・非常勤講師としても授業を担当している。

社会が大学に期待するのは,教育と研究である。基礎学力を身につけ,進んで知識の器を拡大すると共に,仮説を立てて研究を進めていく手法を習得している学生を社会は求めている。今や世界の国々との共生・協働は当たり前の時代になってきた。専門分野に精通すると共に,異国の人達と自由闊達な議論ができるよう研鑚を積んでおく必要がある。
6月26日 期末試験日 レポート課題
 

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