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お知らせ・情報

第68回リスク工学研究会(RERM)

2009/06/29

 システム情報工学研究科リスク工学専攻では,定期的にリスク工学研究会を開催しています。
 参加は自由ですので,教員,学生を問わず,専攻外の方でも,興味をお持ちの方はふるってご参加ください。事前申し込みは必要ありません。

日時:6月29日(月) 18:15-20:30
場所:筑波大学総合研究棟B0110公開講義室"GooglrMap版へ"
交通:関東鉄道バス:筑波大学中央行き又は筑波大学循環バス「第一エリア前」下車
プログラム
○18:15-19:15 講演1
 司会:伊藤誠准教授(システム情報工学研究科リスク工学専攻)
 講演者:岩男眞由美氏(いすゞ中央研究所主席研究員)
 演題:誰が頼んだ?ドライバ支援
 概要:
  80年代後半から今日まで,ITで「ドライバを支援し,事故リスクを軽減する」大義の下,自動車の自動化システムや,過剰にセンサを配した道路交通システム等の開発が強力に推進されてきた。技術を追求する設計者の思い入れとは裏腹に,ドライバは高いコストと共に新たな精神的負担を強いられるようになったのかもしれない。そもそも,そんなドライバ支援を誰が頼んだのだろうか?
 本講演では,演者がこれまでに関わったAHS(Automated Highway Systems)を始めとするドライバ支援装置(情報提供系/警報系)のHMI(Human Machine
Interface)研究を中心に,「何をなすべきか」といった研究目標設定(≒キャリアパス形成)の変遷をふり返ってみたい。
○19:20-20:20 講演2
 司会:梅本通孝講師(システム情報工学研究科リスク工学専攻)
 講演者:日高昭秀氏(日本原子力研究開発機構研究主幹)
 演題:原子力発電所の更なる安全向上を目指したリスク情報の活用に係る最近の動向
 概要:
  原子力発電所の安全確保活動におけるリスク情報の活用は,確率論的安全評価(PSA:Probabilistic Safety Assessment)技術の発達とともに,近年,欧米を中心に進展してきた。ここでリスク情報とは,原子力発電所で事故が起こる確率やどのような系統・機器等の故障が大きな事故に結びつきやすいかなどを定量的に評価した情報のことである。リスク情報は,多重防護の原則を基本としつつ,十分な余裕を見込んだ工学的判断に基づく従来の決定論的な手法と併せて活用することにより,安全上の規制判断や安全確保活動を行う際,より合理的な根拠を与えるとともに,効率性の向上に寄与すると期待されている。
 原子力安全委員会は,リスク情報を活用した規制(RIR:Risk Informed Regulation)の導入を推進するため,平成15年11月に「リスク情報を活用した原子力安全規制の導入の基本方針について」を決定した。同方針では,安全規制の合理性,整合性,透明性の向上及び安全規制活動のための資源の適正配分の観点から,リスク情報の活用は意義あるものと位置づけている。また,原子力安全委員会は,平成15年12月に原子力安全規制活動の下で事業者が達成すべき,事故によるリスクの抑制水準を示す安全目標案を提示するとともに,その後,平成18年3月に安全目標案に適合していることの判断のめやすとなる性能目標を提案し,RIRの本格的導入に向けた準備を進めている。
 原子力安全・保安院においても,安全規制の個別判断においてリスク情報の活用を積極的に進めている。平成13年11月に浜岡原子力発電所1号機において余熱除去系蒸気凝縮系配管が水素燃焼により破断したが,その再発防止対策の有効性を判断する際にPSAの結果が参考とされた。本件は,わが国初の規制上の意思決定におけるリスク情報活用の事例である。
 一方,RIRを導入し推進するためには,原子力の利用によって国民が被るリスクに関する情報を,国民,事業者,研究機関,行政等の全ての関係者が共有しつつ,相互に意思疎通を図るリスクコミュニケーションを積極的に進めることが肝要である.本講演では,上述したように,原子力発電所の更なる安全向上を目指したリスク情報活用の最近の動向について紹介する。
問合せ:リスク工学専攻RERM担当 梅本通孝
     umemoto#@#risk.tsukuba.ac.jp(※「#@#」を「@」に置き換えてください。)

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