印刷

お知らせ・情報

第75回免疫学セミナー

2019/11/05

【演題】
マウスCTLが放出する細胞外小胞の機能を担う粒子とは

【講師】
瀬尾 尚宏 博士

【所属】
三重大学大学院医学系研究科
遺伝子・免疫細胞治療学 特任講師

【日時】
令和元年11月5日(火)17:00-18:30

【場所】
健康医科学イノベーション棟8階講堂 GooglrMap版へ
アクセス:
 筑波大学筑波キャンパスへは「筑波キャンパスへの交通アクセス」をご覧ください。
 利用停留所(関東鉄道バス):筑波大学中央行き又は筑波大学循環バス「追越学生宿舎前

【Abstract】
マウスを用いた実験系で、がん細胞傷害の中心として働く細胞傷害性T細胞(CTL)の放出する細胞外小胞(EV)を超遠心法で調製し、皮下移植腫瘍内に投与すると、腫瘍内の間葉系細胞傷害が観られ、間葉系細胞を失った腫瘍は、浸潤性や転移性を失うことを近年証明した(Seo N., et al.: Nat. Commun. 9: 435, 2018)。超遠心法で調製したEVには、後期エンドソームを起源とするエクソソーム(EXO)や、細胞膜が引きちぎれて形成されるマイクロベシクル(MV)と、アポトーシスに伴い放出されるアポトーシス小体(AB)が混在するが、腫瘍の間葉系細胞傷害を引き起こすCTLEVは、どのEVに分類されるのであろうか。EVは、その膜修復機能の破綻からホスファチジルセリン(PS)の外膜への反転が観られ、強い不電荷を帯びていることが知られている。そこで、大量のCTL培養上清から、限外濾過法でEVを濃縮後、イオン交換カラムでEVを分離調製する方法を開発し、得られる各フラクションのCTLEVの物性の検討を行った。その結果、腫瘍の間葉系細胞傷害を引き起こすEVは、生理的0.15 M NaClから0.3 M NaClの低塩濃度で溶出され(L-sCTLEV)、0.3 M以上の高塩濃度で溶出されるEV(H-sCTLEV)には、その機能がないことが分かった。さらに、L-sCTLEVは、テトラスパニン分子や後期エンドソーム関連のタンパク質、Rabタンパク質群、Tsg101、Flotillin-2、インテグリン類、機能的なマイクロ(mi)RNAを豊富に含み、EXOに分類されるのに対して、H-sCTLEVはDNAを含み、ヒストンタンパク質、細胞骨格タンパク質、ハウスキーピングタンパク質に富むMVやABであることもわかった。現在、L-sとH-sCTLEV膜の脂質成分の分析や、L-sCTLEVの間葉系細胞に取り込まれる機序を解析中である。

セミナーは日本語、スライドは英語で行われます。
本セミナーは医学セミナーに相当します。
This seminar will be held in Japanese, slides are given in English.
Seminar in Medical Sciences

筑波大学 医学医療系 免疫学研究室

PDF資料

このページのトップへ