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在学生の方へ

    

 

時間や制約に縛られず、気軽におもしろい活動ができたら。そんな学生を支援するプロジェクトが始まる。

 

新たな気持ちに切り替わる4月。T‐ACTで新しい「アクション」を起こしてみよう。

 
(安中裕大、森口まりな)
   

T‐ACTとは

 

つくばアクションプロジェクト(T‐ACT)は、学生の自主的な活動を支援する取り組みだ。08年に文部科学省の「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム(学生支援GP)」に選定された。

 

「やってみたいと思ったことを気軽にやる」がT‐ACTのコンセプトだ。T‐ACTを利用した学生の自主的な活動をアクション、教員が発案した活動をプランと呼ぶ。活動の自由度は高く、一日だけの活動でもTACTになる。

 

アクションを行う際は、企画者が「プランナー」となり、T‐ACTのウェブサイトに企画を登録する。登録には「パートナー」となる教職員最低1名が必要だ。パートナーは教職員に直接依頼したり、筑波大学研究者総覧TRIOSから検索、連絡をする。

 

企画はT‐ACT運営委員会(チームTACT)で審議される。承認されたら、仲間を集めればアクションを実施できる。活動を運営する仲間「オーガナイザー」や参加者「パーティシパント」は、口コミや学生のデータベースから募ることができる。

 

アクションを終えたプランナーは、成果や感想などをT‐ACTに報告する。活動報告はウェブサイトに掲載され、学生は自由に閲覧できるようになる。「ほかの人の活動を参考にして、新しい活動を起こしてもらえれば」とT‐ACT専任教員(コンサルタント)の樫村正美助教(人間総合科学研究科)は言う。参加者はT‐ACT認定証がもらえる。優れた活動には学長表彰も行われるという。

アクションの流れ
活動の構成員とアクション・プランとの関係
プランナーオーガナイザーパーティシパントパートナー
役割企画の立案者。参加者を募り、企画を運営していく。プランナーの補佐役となって、ともに企画を運営していく。活動当日に参加する。運営に関わってもよく、オーガナイザーと厳密な違いはない。専門の知識や技術を活用するだけでなく、学生の相談役や、活動の監視役も務める。
アクション学生学生・教職員学生・教職員教職員
プラン教職員学生・教職員学生・教職員
   

無灯火運転防止キャンペーン

 

既存の活動をT‐ACTとして採用する例もある。生活環境委員会施設・交通班が07年度から実施している「自転車の無灯火運転防止キャンペーン」が、08年10月と09年2月にT‐ACTプランとして行われた。

 

「T‐ACTになったことで、全代会以外の学生が参加してくれた」と鳥越直子施設・交通班班長(日本語・日本文化学類3年)は話す。今回パーティシパントとして参加した学生からは「無灯火運転だけでなく、スピードの出し過ぎなど、自転車利用のマナーの悪さに驚いた。また機会があれば参加したい」という感想も聞かれた。

   

すべての学生に活気を

T-ACTの魅力を語る腰塚前副学長(09年2月取材)
 

T‐ACTの目的は、「中間層」を含めた全学生の支援だ。

 

筑波大学は、約7割の学生が課外活動団体に加入している。全国の国公立、私立大学生の平均加入率は約5割であり、筑波大生は充実した大学生活を送っていると考えられていた。しかし05年の学生生活アンケートの結果、活動に積極的になれない、自分の力を発揮できていない、と感じている学生が多くいることが明らかになった。

 

筑波大生約7000人を対象に行われたアンケート調査の結果、サークル活動などに積極的な「充実群」の学生が36%、大学生活に適応できていない「不適応群」が7%、どちらでもない「中間層」の学生が57%いることが分かった。不適応群にはカウンセリングなどの支援があったが、中間層の学生には十分な支援が行き届いていなかった。

 

「T‐ACTの特長は、興味のある活動に気軽に参加できること。アクションを通して、より多くの学生が元気になってくれれば」と腰塚武志前副学長(学生生活)は話す。

   

活動はどこまで自由か?

 

現在、チームT‐ACTは活動の自由度の問題に頭を悩ませている。「企画内容は問わないとしているが、すべての企画を認めるのには限界がある」と樫村助教は話す。

 

学外から参加がある企画などは、実行に慎重さが求められる。企画中に事故が起きれば、保険の適用などが問題になるからだ。チームT‐ACTは顧問弁護士を雇うことで、法律の問題を相談できるようにしている。

 

費用の掛かる企画も難しい。基本的に活動費は援助せず、学生支援GPの支援金は、専属スタッフの雇用や企画広報用の電子掲示板の購入などに使われる。支援金を活動費に充てると、承認できる件数が限られ、GP終了後は活動が制限されるおそれもある。「学生には紫峰会の支援金や賞金の出るコンテストなどを紹介していく。自ら活動費を調達する術を学んでほしい」と腰塚前副学長は言う。

 

T‐ACTが成功するには教職員の協力も欠かせないという。12月にT‐ACTプランの一環でプロのオーケストラのリハーサルを見学したが、通常は一般には公開しないもので、教員の交渉無しには実現しなかった。「T‐ACTが面白くなるかどうかは学生と教職員次第だ。積極的に参加して、活動の輪を広げてほしい」と腰塚前副学長は話す。

   

コラム|みんなで創ろう『つくばアクションプロジェクト』

 

学生の参加を促す試みとして、09年4月から総合科目「みんなで創ろう『つくばアクションプロジェクト』」が始まる。この授業は1、2、3学期にそれぞれ学期完結で開設される。各学期とも同じ授業内容を実施するため、履修できるのは1単位までだ。

 

授業では実際の企画実現に沿った演習を通し、T‐ACTの活動方法を学ぶ。企画の作り方、仲間の募り方、集団の動かし方などの実践力を身に付けることが狙いだ。授業は樫村助教のほか、チームT‐ACTに所属する教員がオムニバス形式で担当する。演習では、最初に参加者全員が各自のやりたい企画を考える。次に5、6人のグループ内で企画のプレゼンテーションを行い、企画を一つに絞る。学期の最後には全体でプレゼンテーションとコンテストを行い、優れたグループを表彰する。

 

授業は主に新入生を対象としており、T‐ACTの導入教育として筑波大学の特徴についても学ぶ。「大学周辺の環境などを知ってもらい、新しく活動をする参考にしてもらえれば」と樫村助教は話す。 

T-ACT名称内容活動期間
アクションあなたの小説が読みたい!―筑波学生文芸賞の作品および一般選考委員の募集―つくば市内の大学・専門学校などに通う学生から文芸作品 を集め、審査や冊子発行を行う。09年3~6月(作品および一般選考委員募集期間)
つくろう☆子供遊園地"Good job"~夢のお仕事体験場~市主催のイベントで、学生が疑似社会をつくり、参加した子供たちに楽しんでもらう。09年5月第2土日曜
プラン交通安全呼びかけキャンペーン交通マナーの向上や多発する交通事故への注意を喚起する。08年11月以降2~3回/月
ノーベル賞を理解しよう!日本人のノーベル賞受賞を機に、学生に理解してもらうよう、理系の学生がプレゼンテーションをする。08年12月以降

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