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在学生の方へ

 

司書、学芸員、建築士など、大学ではさまざまな資格が取得できる。

 

普段よく耳にする資格も多いが、実際の仕事内容や現状をどれだけ知っているだろうか。

 

資格を取って第一線で働く人たちに、現場の「いま」を聞いた。

 
(安中裕大、濵田宰、平林知芙美)
 

総合大学である筑波大学では、さまざまな分野の資格が取れる。取得できる資格は教職免許を除いて16種類あり、指定の授業を履修することで取得できる。工学システム学類や社会工学類開講の授業では建築士、知識情報・図書館学類では司書など、学類の特色を活かした資格が設けられている。一方で学芸員のように多くの学類で取れる資格もある。

筑波大学で取れる資格
  • 社会教育主事
  • 社会福祉士
  • 二級建築士
  • 社会体育指導者
  • アスレチック・トレーナー
  • 学芸員
  • 司書
  • 樹木医補
  • 測量士補
得られる国家試験受験資格
  • 医師
  • 臨床検査技師
  • 二級建築士木造建築士
  • 看護師・保健師・助産師
  • 施行管理技師
   

司書になるには

 

図書館情報学の専門課程を開設している国公立大学は、筑波大学だけだ。司書資格は規定の単位を修めることで取得できる。

 

筑波大学中央図書館の司書の仕事は「来館型サービス」と「非来館型サービス」の二つに大別できる。来館型サービスは、書籍や雑誌を利用する人へ向けたものだ。貸出業務や、利用者の要望に応え資料を提供するレファレンスサービスなどを行う。非来館型サービスは、自宅や研究室などからインターネットを介して、直接図書館に来館せずに利用できるサービスだ。学術雑誌を電子化した電子ジャーナルや、資料を電子化し貯蔵するリポジトリなどにあたる。

 

非来館型サービスの普及により司書にプログラミングなどの技術がより一層求められるようになった。年々その比重は重くなってきている。「本や利用者に直接触れるサービスをイメージしていたが、思ってもみなかった非来館型サービスの仕事が多くて大変だった」と、司書になって4年目の赤津愛美さん(筑波大学中央図書館・情報管理課雑誌受入係)は言う。

 

職場では一見仕事とは無関係に思える知識・経験に助けられた。赤津さんはサークル活動で雑誌編集をしていたそうだ。そこで身に付けたデッサン力やセンスを就職してから活かせたという。「大学で学んだことは基礎的なことで、実際はもっと深い部分が多くあった。基礎的な知識は重要だが、サークルなどでさまざまな経験をしたことも役に立った」

   

学芸員の「いま」

 

昨年度、53名の筑波大生が博物館実習に参加し学芸員資格を取得した。筑波大学を含む学芸員開講大学では、在学中に規定の単位を修得することで、卒業と同時に学芸員資格を取得できる。

 

学芸員が扱う分野は広く、文理を問わず多くの学類から目指せることが特徴だ。博物館法が定める「博物館」には、歴史博物館や美術館の他に産業博物館や自然史博物館、動植物園なども含まれる。

 

学芸員は、博物館が所蔵する資料の収集、保管、展示、調査研究などを行う。資料の劣化をできる限り食い止め現状保存を図るほか、来館者の興味を引くような展示方法を考えるのも学芸員の仕事だ。

 

博物館を運営する際には、中立的・客観的な立場が求められる。専門知識の無い来館者が誤った印象を持たないようにするためだ。さまざまな見方、説がある物事でも、博物館が一つの見方に偏った展示をすると、来館者にはそれだけが事実のように見えてしまう。

 

多くの博物館で、経営赤字などによる人員不足が課題となっている。県立以下の小規模な博物館では、本来学芸員の仕事ではない事務職も兼ねざるをえないのが現状だ。「来館者からはなかなか見えないが、実は体力勝負の過酷な仕事。自分の決めたことをやり通す覚悟がなければ務まらない」と、19年間学芸員を務め、現在は諏訪市教育委員会芸術文化課長を務める高見俊樹さんは話す。

 

学芸員の仕事に必要なのは、一つのことを追及しようとする姿勢だと高見さんは言う。「広くさまざまな分野を学ぼうとするより、まずは一つのテーマを決めてしっかり研究してほしい。自分が専門的研究に打ち込んできたという自負は、新しいことを学ぶときにも力になる」

   

将来を見据えて

 

授業を受ければ資格は取得できるが、それを希望する進路につなげられるかはその人次第だ。単に資格を取るだけではなく、将来を見据えた大学生活を送ることが就職への第一歩となる。

 

これから社会に出て行く学生たちに、いま求められているものとは何だろうか。

   

資格取得条件の例

司書
必修課目選択科目(下記から2科目選択)
  • 生涯学習と図書館
  • 図書館論
  • 経営・組織論
  • 情報サービス経営論
  • 情報探索論または情報サービス構成論
  • 知識情報演習Ⅱ
  • 情報基礎実習
  • コレクションとアクセス
  • 学術メディア論
  • 知識資源組織化論
  • 知識情報演習Ⅰ
  • メディア教育と発達
  • 図書館文化史論
  • 日本図書学、中国図書学またはディジタルドキュメント
  • 知識形成論
  • 情報基礎
  • ディジタルライブラリまたはインターンシップ
学芸員
  • 博物館学Ⅰ
  • 博物館学Ⅱ
  • 博物館学Ⅲ
  • 生涯学習論または社会教育論
  • 博物館実習
  • 視聴覚教育論、教育工学または学習情報処理論
  • 教育基礎学
樹木医補
必修課目選択科目(下記から4科目選択)
  • 森林植物学
  • 森林育成学
  • 生態学
  • 土壌科学
  • 植物病理学
  • 植物寄生菌学
  • 植物ウィルス学
  • 資源植物保護学
  • 造園学
  • 森林生物学実習
  • 生物生産システム学実習
  • 土壌調査法実習
  • 植物寄生菌学実習
  • 卒業研究
  • 自然地域計画実習
 

※生物資源学類・生物資源科学主専攻分野卒業者に限る

測量士補

数学類または物理学類卒業者に与えられる。 生物資源学類でも「測量学」「測量学実習」を含む測量に関する科目を30単位以上履修して卒業 すれば取得できる。

 

出典 平成21 年度履修要覧

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