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在学生の方へ

    

煙との付き合い方 広がる分煙

 

厚生労働省の通知により、全国で分煙を目指す動きがある。それを受けて筑波大学も分煙化に取り組んでいる。喫煙者と非喫煙者が互いに快適に過ごすために、どんなことが行われているのだろうか。

 
(朝倉健、田中美紗子、長尾純江、平林知芙美)
分煙の方針について話す飯村課長
 

筑波大学の教育研究現場での喫煙場所は、各支援室が管理している。教職員や学生の健康管理を行う環境安全管理課が厚生労働省からの通達を各組織に通知し、各支援室等が関係組織と連携・活動しているという。

 

分煙化を始める前は、特に喫煙場所は決められていなかった。「どこにでも灰皿が置かれていた。建物内の壁がやにで黄色くなっているのが普通だった」と、環境安全管理課の飯村茂課長は笑う。

 

現在では、大学内の分煙が進められている。第1エリアの喫煙場所が人通りの少ない場所に変更され、排煙装置がある喫煙ルームが第3エリアにできた。

   

喫煙所を人通りの少ない場所へ

禁煙エリアを示す1B棟2階の張り紙
 

人文社会科学等支援室(人社支援室)では、灰皿を設置した指定の喫煙場所についての掲示を行うことで喫煙場所を管理している。最近では分煙に向け喫煙場所の変更も行っている。

 

第1エリアでは、7月に2階に指定してあった喫煙場所をすべて1階に移動させた。人通りの多い2階での喫煙を規制することで、分煙化を進めようという試みだ。2年前にクラス連絡会で喫煙マナーや喫煙場所についての意見・要望があったことも、場所を変更したきっかけの一つだという。

 

現在は変更後の経過を見ている状況だが、分煙に向けての取り組みは、スペースや経費のこともあり喫煙場所の変更以外は特に考えていない。変更直後のことでもあり、当面は喫煙場所を増やすなどの予定もないという。大学や支援室側の取り組みよりも、喫煙者個人のマナーが分煙化に向けての鍵だと人社支援室の吉田英夫室長補佐は考えている。

 

世間的に分煙・禁煙の動きが広がるまでは、歩きたばこや指定した喫煙場所以外の所に灰皿を持ち込んで喫煙するなど、喫煙者のマナーの悪さが特に目立っていた。現在でもたばこの吸い殻をポイ捨てする人がいる。「それでも昔と比べると喫煙者のマナーは向上している」と吉田室長補佐は話す。「メインフロアが2階のため、たばこを吸いに1階に下りていただくことになるが、喫煙者はマナーを守って指定された喫煙場所で吸ってほしい」

   

排煙装置付き喫煙ルームの設置

3B棟1階の喫煙ルーム
 

システム情報工学等支援室(シス情支援室)が管理する3B棟は、2年前に改修された新しい建物だ。改修に伴い、喫煙する職員が喫煙ルームの設置を提案した。当初の予定にはなかったが、その意見を取り入れ1階に喫煙専用の部屋が設けられた。「喫煙者の意見があったから、喫煙ルームができた。分煙のためには、喫煙者のためにきちんとした場所を設けることが必要だ」と、第3エリアの分煙を担当するシス情支援室の郡司晃一専門員は話す。

 

3B棟の喫煙ルームは煙が漏れないよう工夫がされ、排煙装置が取り付けられた。第3エリアではほかに、3C棟、3D棟、理科系棟に喫煙場所がある。これらは、もともと空いていたスペースに仕切りを作ることで場所を確保した。

 

灰皿に痰が吐かれていたり、火が付いたままの吸い殻が落ちていることもある。「捨てられた吸い殻は、誰かが掃除しなければならない。そこまで考えて、喫煙所はきれいに使ってほしい」と石濱光朗室長は言う。

 

喫煙場所を設ける一方、天の川と3A棟の間などを禁煙エリアと定めている。「今は屋外の禁煙スペースは比較的守られている。現状を維持していけるように、できることをやっていきたい」と郡司専門員は語る。

それぞれ支援室、喫煙場所の数、分煙のための主な取り組み。
人文社会科学等、5、2喫煙場所をなくし1階に移動させた。
数理物質科学等、3、管轄外ではあるが支援室職員が利用することが多い1A棟1階の灰皿のそばに水を入れた瓶を置き、そこで確実に消化することにより、周囲の残煙の被害がないようにしている。
生命環境科学等、7、第2エリア小食堂の外を禁煙にした。
人間系、3、喫煙場所を屋外テラスに設け、屋内には設けない。
システム情報工学等、4、排煙装置の付いた喫煙ルームを設ける。
図書館情報等、9、喫煙所の清掃を業者に委託している。
各支援室の喫煙場所の数と分煙化の取り組み
 

「全エリアに喫煙ルームを設置するのが理想だが、予算やスペースの問題で思うようにいかないのが現状だ」と飯村課長は話す。分煙の必要性や喫煙に伴う危険性についての講演会を開催できないか専門の先生に相談している。

 

支援室の取り組みだけでは分煙は実現しない。「喫煙場所を設けても、完全に分煙ができるとは限らない。喫煙者個人のマナーが問題だ」と飯村課長は話す。指定場所以外での喫煙や、ポイ捨てが完全になくなったわけではない。「周囲に気を配り指定された場所で喫煙する、しっかり火を消してから吸い殻を確実に処理するなどの基本的なことを徹底してほしい」とシス情支援室の石濱室長は話す。

 

学内でマナーを守っている喫煙者もいる。学生のAさんはたばこ嫌いな人の前では吸わないように気を付け、吸い殻は灰皿に捨てている。「喫煙場所の数は減り過ぎている。人通りの少ない所に喫煙場所を増やしてほしい」とAさんは話す。日差しの強い日や雨の日に屋根がないのも不便だという。

 

喫煙者と非喫煙者双方にとって快適な空間の実現は、容易ではない。一人ひとりの理解と配慮が不可欠だ。

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