ALUMNI

鳥居 啓子氏

鳥居 啓子(トリイ ケイコ)氏

[入学・卒業(終了)等年,所属(学群・学類,研究科名)]

1983年入学・1987年卒業 筑波大学第二学群 生物学類
1987 年入学・1993年修了 筑波大学生物科学研究科 生物物理化学専攻

米国ワシントン大学生物学部 卓越教授
ハワードヒューズ医学研究所(HHMI) 正研究員
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM) 主任研究者
名古屋大学生命理学研究科 客員教授

① 現在のお仕事を聞かせてください。

私は、大学院時代から一貫して、植物の形作りのメカニズムを研究しています。具体的には、植物細胞同士がどのようなコミュニケーションをとり、機能的で美しい組織器官を構築するのか、その分子基盤を解析しています。一連の研究から、 陸上植物の表皮にある通気口、気孔をつくる遺伝子群や気孔の数や分布を制御する仕組みを解明しました。気孔は陸上植物の生長と生存に必須であるだけではなく、地球レベルでの大気環境や水循環に大きな影響を及ぼしています。
2011年には、アメリカの基礎医学・生命科学研究分野の最高峰である、ハワードヒューズ医学研究所(Howard Hughes Medical Institute: HHMI)に、植物学者として加わらせていただく異例な経験をさせていただきました。これは、HHMIとムーザ財団(Gordon and Betty Moore Foundation)の行なった、「米国で最も革新的な15人の植物学者」という選抜を得たもので、アメリカ基礎医学界、そしてプライベートな財団の懐の広さにとても感銘を受けました。また、2013年にたちあがった、日本の世界トップレベル研究拠点の一つである名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)に、海外主任研究者として参画させていただいております。 研究の詳細等は、名古屋大のこちらをどうぞ(http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/public/nu_research_ja/features/detail/0003017.html)

鳥居 啓子氏

② 今改めて,筑波大学で良かったと思うことを聞かせてください。

開放的でおおらかで、自主性のある学生にはとことん素晴らしい機会を与えてくれるところではないでしょうか。 私は年下の帰国子女として筑波大に9月入学し、外国帰りで慣れないことばかりでしたが、クラスメートやサークルの友人達、それに教員の皆様に暖かく迎え入れていただきました。また、 筑波大のシステムは、学群・学類間の閾が低く、他学群の講義をとったり、複数の教員とディスカッションしたり共同研究をさせいただいたりできます。さらには、大学外部には最先端の研究所が沢山あり、必要に応じて 実験装置を使わせていただいたり出来たことも、非常に魅力的でした。

鳥居 啓子氏

③ 本学と本学の学生に対してメッセージをお願いします。

大学生活はたった数年ですが、今後の人生を決める大切な時期でもあります。単に将来のキャリアの方向性というだけでなく、これからの社会を『生き抜く力』をつける場所でもあるのではないでしょうか。オープンで自由度が高い校風の筑波大では、周りの空気を読んでこじんまりまとまるのではなく、 どんどん積極的に自分らしさを発揮してもらえたらと思います。 サークル活動や友人との時間を大切にし、幅広く色々なことを学び、時にはリラックスして将来への糧にしてください。

創基151年筑波大学開学50周年記念事業