生物・環境

ショウジョウバエを使って私たちの痛みの謎に迫る ~痛覚神経機能に重要な遺伝子を多数発見~

筑波大学生命環境系 本庄賢特任助教らの研究グループは、キイロショウジョウバエを材料にした研究から、痛覚神経の機能に重要な新しい遺伝子を多数同定することに成功しました。

今回見つかった遺伝子はショウジョウバエ幼虫の痛覚神経に強く発現しており、痛覚神経でその遺伝子機能を抑制した場合には、熱に対する痛覚反応の鈍麻や過敏化を引き起こすことから、痛覚神経の機能に重要であると考えられました。ヒトとキイロショウジョウバエの遺伝子データベースの比較から、今回見つかった遺伝子の半数以上がヒトにも存在していることがわかりました。

160624-2

図 本研究で注目したショウジョウバエ幼虫の痛覚神経細胞
ショウジョウバエの幼虫の痛覚神経は表皮の下に分布し、発達した樹状突起構造で幼虫体壁の9割以上を覆っている。この樹状突起構造には様々な刺激を受容する分子が分布していると考えられており、その情報が神経軸索を通じて中枢神経系に伝達される。

PDF資料

プレスリリース
創基151年筑波大学開学50周年記念事業