医療・健康

短時間の軽運動で記憶力が高まる!  〜ヒトの海馬の記憶システムか?活性化されることを初めて実証〜

筑波大学体育系 征矢英昭教授、諏訪部和也研究員、邊?鎬(ビョン・キョンホ)助教、筑波大学システム情報系 山海嘉之教授、鈴木健嗣教授、米国カリフォルニア大学アーバイン校 Michael A. Yassa教授(筑波大体育系教授)らの共同研究グループは、ヨガや太極拳のような軽運動を模した超低強度運動か?海馬を中心とした記憶システムを活性化し、記憶力を向上させることをヒトにおいて初めて明らかにしました。

本研究では、超低強度運動を10分間行った直後と安静後に記憶課題に取り組んだ際の脳の活動を、最先端の機能的MRI技術を駆使して高解像度で可視化し、比較しました。その結果、超低強度運動が海馬を活性化し、特に、海馬歯状回を中心とした記憶システム全体を上方制御することで、記憶能の向上に資することが明らかになりました。



図1.実験の概要 (A) 実験の流れ。実験参加者は運動条件と安静条件の両方をそれぞれ別日に行った。 (B) 記憶課題の説明。日常生活で目にするような物体の写真を見せ、それ以前に提示した物体と比べて、①全く「同じ」か、②「似ている」が全く同じではないか、③「初めて」出てきた物体か、の3択で回答させた。類似物体を同じではなく「似ているが違う」と弁別できた割合から記憶能を評価した。 (C) 記憶課題の結果。超低強度運動後に記憶課題を行ったときの方が、記憶力が向上し、類似物体に対して「似ているが違う」と正答できた割合が増加した。

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