医療・健康

強炭酸水の飲用がeスポーツによる認知疲労を軽減する

研究イメージ画像
(Image by Mariyana M/Shutterstock)
 無糖の強炭酸水を飲みながら3時間のeスポーツを行うと、真水摂取時より疲労感が抑えられ、楽しさが高まりました。また、認知疲労(判断力低下)と瞳孔径の縮小が防がれ、プレー中の反則も抑えられました。糖分やカフェインに頼らない脳疲労対策として、強炭酸水の活用が期待されます。

 長時間のeスポーツは、実行機能の低下と瞳孔収縮を伴う認知疲労を誘発します。その対策の一つとしてカフェインや糖分を含む飲料が用いられますが、それらの常用には健康上の懸念もあります。一方、炭酸水は糖分やカフェインがなくでも、咽頭の感覚刺激を介して脳幹に作用し、実行機能を担う前頭前野に投射する神経活動を高める可能性が報告されています。

 本研究は、強炭酸水の摂取が長時間のeスポーツに伴う認知疲労を軽減するかどうかを検証しました。若年成人14人が強炭酸水または真水を摂取しながらバーチャルサッカーを3時間実施し、その間の瞳孔径と心拍数を連続測定するとともに、1時間ごとに、主観的疲労・楽しさ・実行機能といった心理指標および血糖値と唾液コルチゾル(ストレスホルモン)といった生理指標を評価しました。

 その結果、強炭酸水の摂取は真水に比べて主観的疲労感の増加を抑えるだけでなく、プレーの楽しさを高め、実行機能の低下と瞳孔径の収縮も緩和しました。また、心拍数、血糖値、コルチゾルは条件間で差がなかったことから、強炭酸水の摂取は、糖分やカフェインの摂取がもたらす過剰な代謝や内分泌反応を伴わずに脳活動を維持し得ることが示されました。さらに、プレー中の反則の数が、攻撃や守備のパフォーマンスを変えることなく減少しました。強炭酸水はカフェインや糖分に頼らずeスポーツ中の実行機能を維持し、フェアプレーを促進する持続可能な飲料として役立つと考えられます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学体育系
松井 崇 准教授
髙橋 史穏 体育科学学位プログラム(博士後期課程)

アサヒ飲料株式会社 研究開発本部 研究開発戦略 部長
安本 賢治

掲載論文

【題名】
Sparkling water consumption mitigates cognitive fatigue during prolonged esports play.
(炭酸水の摂取は長時間のeスポーツプレイ中の認知疲労を軽減する)
【掲載誌】
Computers in Human Behavior Reports
【DOI】
10.1016/j.chbr.2026.100943

関連リンク

体育系
体育科学学位プログラム