医療・健康

脳内に異常に蓄積したタウタンパク質を捉える画像解析ソフトを開発・公開

研究イメージ画像
(本画像はイメージであり、実際の患者・研究参加者の画像ではありません。)
 アルツハイマー病などの進行に関わるタウタンパク質の異常な脳内蓄積を捉えるPET(陽電子放射断層撮影)画像を、自動で解析する研究用ソフトウェア「TAME-Q」を開発・公開しました。これにより、PET画像の解析工程を一本化し、再現性のある解析を、世界中の研究者が実行できる環境を整えました。

 アルツハイマー病や進行性核上性麻痺などの神経変性疾患では、脳内に「タウ」というタンパク質が異常に蓄積します。生体内における異常なタウの蓄積の有無や程度を調べることは、病気の仕組みを理解するために重要です。florzolotau(18F)は、異常に凝集したタウに結合する放射性薬剤です。この薬剤を用いたPET(陽電子放射断層撮影)画像により異常なタウ蓄積を可視化することができます。しかしながら、この画像に対する解析法は、研究室ごとの独自プログラムや商用ソフトウェアに依存しており、他の研究者が同じ手順を共有することは困難でした。

 本研究では、この解析法を組み込んだ研究用ソフトウェア「TAME-Q」を開発し、公開しました。TAME-Qは、PETとMRI(磁気共鳴画像法)の画像から、脳の各領域における18Fの集まり具合を示す指標を自動で算出します。

 このソフトウェアを、アルツハイマー病の患者37人、進行性核上性麻痺の患者46人、健康な人50人の計133人のデータに適用し、その出力の品質を確認したところ、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺とも、先行研究と整合する結果が得られました。また複数の脳領域のPET画像の数値から機械学習により算出した指標(タウスコア)も、先行研究と同様の傾向が見られました。

 TAME-Qのプログラム公開と併せて、実行環境も同時に公開しました。本研究により、解析環境を構築する負担が軽減され、研究者が共通の手順で解析を行えるようになります。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系
新井 哲明 教授
中山 顕次郎 医学学位プログラム(博士課程)

量子科学技術研究開発機構
樋口 真人 脳機能イメージング研究センター センター長

掲載論文

【題名】
TAME-Q: An Open-Source Preprocessing Pipeline for Reproducible Semi-Quantification of Florzolotau (18F) PET
(TAME-Q: florzolotau (18F) PETの再現可能な半定量化のためのオープンソース前処理パイプライン)
【掲載誌】
BMC Medical Imaging
【DOI】
10.1186/s12880-026-02775-5

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