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再発・難治性T細胞リンパ腫に対するダサチニブ治療の予測指標を解明

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(Image by DC Studio/Shutterstock)
 難治性の血液がんであるT細胞リンパ腫に対するダサチニブの第II相医師主導治験を実施し、治療効果を左右する遺伝子変異と免疫環境を明らかにしました。これにより、患者ごとに最適な治療を選択する個別化医療の実現や、新たな免疫治療戦略の開発につながると期待されます。

 T細胞リンパ腫は、免疫を担うT細胞ががん化して生じる予後不良の血液がんで、再発後の治療選択は限られています。異なる分子異常に由来する複数の病型が存在し、そのうちの代表的な病型である節性T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫(TFHリンパ腫)では、T細胞受容体シグナルの異常な活性化が高頻度に認められます。本研究グループはこれまでに、白血病等治療薬ダサチニブがこの異常なシグナルを抑制すること、第I相臨床試験でTFHリンパ腫患者に一定の効果を示すことを明らかにしています。

 今回、全国13施設が参加する医師主導第II相臨床試験を実施し、TFHリンパ腫に対するダサチニブの有効性と安全性を検証するとともに、治療効果を左右する要因を詳しく調べました。17人の患者を対象に、がん組織や血液の遺伝子変異解析に加え、1細胞レベルでの遺伝子発現解析を行った結果、T細胞受容体シグナル関連変異を持つ患者ではダサチニブが効きやすく、治療に反応した患者では、がん細胞を攻撃するCD8陽性T細胞分画が拡大し、抗がん免疫が活性化していました。一方、加齢に伴って生じるクローン性造血(血液細胞が遺伝子変異を持ったクローンに置き換わる現象)由来と考えられる免疫細胞の変異が増加している患者では、抗がん免疫機能が低下し、治療効果が得られにくいことが分かりました。本成果は、TFHリンパ腫における治療選択の新たな指標となるとともに、免疫環境を標的とした治療法の開発や、クローン性造血が関与する疾患の病態理解につながると期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系
坂田(柳元) 麻実子 教授
須摩 桜子 特任講師

掲載論文

【題名】
A multi-center, single-arm, phase 2 trial of dasatinib in T-follicular helper cell lymphomas.
(T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫に対するダサチニブ単剤療法の多施設共同第II相臨床試験)
【掲載誌】
Nature Communications
【DOI】
10.1038/s41467-026-78100-z

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