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メディアを生かした創作に挑む

田中さんの写真 その1

宮崎県出身。好物は名物のチキン南蛮。帰省時には欠かさず食べる。



田中 康二郎さん

田中さんの写真 その2 空間デザインについて研究室内で議論する

人間総合科学学術院
人間総合科学研究群(博士前期課程)
情報学学位プログラム2年



表現工学は、科学と芸術を融合し、新たな表現に挑む学問分野だ。田中さんは本学大学院で表現工学の研究に取り組む一方で、自らメディアアート作品を制作、発表してきた。総務大臣奨励賞やつくば市長賞など受賞歴も多く、学長表彰も受けている。

 最新作は「The Shape with Multiple Interpretations(多重の解釈による形)」(https://tonali-kojiro.com/で閲覧可)

 3Dプリンターで造形した白いウサギ像の立体データを3Dスキャナーで読み込む。そのデータを基に3Dプリンターでウサギを再び造形する。これを繰り返すと、ウサギの形がどんどん崩れ、まったく別物になる。その過程を映像化した。訴えたかったのは「世の中にあふれる情報は、伝わるうちにオリジナルから遠ざかっていく」ということだ。日々触れるメディアの情報に、私たちはどう向き合うべきか、という問いかけでもある。

 幼い頃から映画好きで、中学時代はコンピューターを使った音楽制作に熱中した。「表現者になりたい。理数系も好きなのでそれを生かしたい」。5年前、こんな夢を抱いて本学情報メディア創成学類に入学した。早速加入したのが自主映画制作サークルだった。

 学生が脚本を書き、出演者を募り、撮影、編集までを行っており、映像作品制作のイロハが身についた。だが、その過程で気がついたのは「自分が創作したかったのは、映像作品その物ではなく、メディアの特徴を生かしたコンテンツだ」ということだ。

 例えば、仮想現実(VR)装置を利用すると360度を見渡す体験が出来る。その魅力を伝えるには、VRというメディアの特徴を生かしたコンテンツが必要だ。最新作も、3Dプリンターというメディアの特色を上手に活用した作品だと言えるだろう。

 作品発表の際に「メディア演出クリエイター」を自称するのも、個々のメディア装置の魅力が伝わるコンテンツを制作する(演出を施す)という思いがこもっている。

 「情報メディア創成学類には、自分たちで何か創ろうという空気感があり、それを後追いする中で成長できた」とこれまでを振り返る。

 大学院での研究テーマは芝生アート。一見アナログだが、機械仕掛けで芝を動かし、動画も表現できるという。「発表前で詳しい紹介はできないが、自然と調和した情報提示の手法を探りたい」と語る。若きクリエイターのアイデアは、尽きることがない。



後輩にひとこと

さまざまな分野の学生がいて、多様な考え方に触れられるのが筑波大の特徴です。高校生の時から自分は何が好きなのかを考えておくこと。そして、英語をきちんと勉強しておくこと。この二つがあれば、どんな状況になっても頑張ることができるはずです。

田中さんの写真 その3