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馬場 雄大氏(TSUKUCOMM Vol.49)

馬場 雄大氏 バスケットボール試合風景

夢に向かってブレずに突き進む

バスケットボール選手 メルボルン・ユナイテッド(NBL)馬場 雄大氏


-この7月にメルボルン・ユナイテッドへの加入が発表されましたね

メルボルン・ユナイテッドは、去年は決勝に進出しましたし、2017-18年シーズンでは優勝もしている強豪チームです。現在、契約をして、ビザを取得するのを待っている状態です。練習環境を整えるのも厳しい状況ですが、パーソナルトレーニングを受けたり、以前所属していた日本のチームの体育館を使わせてもらいながら、準備をしています。

また、海外では自分で健康管理もしなくてはならないので、最近は食べるものについてもいろいろ調べて試しています。今は、玄米や魚中心にするなどの食事法を実践していて、すごく調子が良くなっています。自分で魚をさばいたりもするんですよ。

バスケはどのリーグでも、秋から試合が始まって、翌年の春ごろに終わります。それ以外の時期、夏は主に日本代表としての活動があり、休みの期間は、アメリカのキャンプなどに参加して練習する、というのが年間のサイクルです。本来ならもう渡豪して現地で練習しているはずなのですが、ちょっと予想外のことになっています。

-プロの選手を目指すようになったのはいつからですか

高校の時に一緒にアンダー18の日本代表だった渡邊雄太選手が、今、NBA(アメリカプロバスケットボールリーグ)でプレーしているんですが、同じ舞台でやっていた選手が頑張っているのをみて、自分もNBAに挑戦したいと思うようになりました。

大学4年の春の大会後に、Bリーグ(日本プロバスケットボールリーグ)のアルバルク東京と契約してプロ入りしました。ちょうどその時は、教育実習もあって、日によって先生になったり選手になったり、すごく大変でしたが充実していました。日本のバスケリーグには野球のドラフトのような仕組みはないので、プロチームは良い選手を見つければ声をかけていきます。大学での試合で良い結果を残せたことがきっかけになったと思います。

その後、NBAのダラス・マーベリックスのキャンプに参加する機会を得ました。NBAは想像通り、各国の化物揃いのリーグでした。最初はなかなかアジャストできずに苦労しましたが、技術、メンタル、体づくりなどいろいろな面で、何をすべきかが見えてきました。

馬場 雄大氏 バスケットボール試合風景

-筑波大への進学はどのようにして決めましたか

卒業後、アメリカに行くか日本に残るかの選択で、高校3年の冬に進学を決めました。人生、バスケだけで生きていけるわけではありませんから、教員免許を取りたいと思って。体育の教員としては、筑波大出身だとステータスが高いと聞いていたので、それで筑波大を選びました。

富山からつくばに来て、もちろん一人暮らしも初めてで、親のありがたさを感じました。でも、つくばは自然も多いし、全てが新しくて楽しかったです。みんなで筑波山に登ったり、土浦の温泉に行ったり、近所の定食屋を食べ歩いたり、ほとんどの時間を友人と過ごしました。

部活動でも、もっと厳しい上下関係があると思っていたのですが、先輩は皆、兄貴のような存在で、自分のやりやすい環境を作ってくれて、居心地が良かったですね。中学・高校と比べると、コーチの指導も組織化されていて、心身ともに鍛えられました。自分がチームに入って日本一を目指す、と思っていたので、それが達成できて、覚悟と責任が生まれました。馬場雄大という選手像を確立できたのも、この経験があったからだと思います。

-バスケットボール選手としての目標を聞かせてください

NBAでオールスター戦に出場することです。すでに活躍している八村塁、渡邊雄太両選手とともに、3人でオールスターの舞台でプレーすることが夢です。NBAに入ることだけを目指していては、そこで成長が止まってしまうと思うんです。常に大きな目標を持ち、限界を決めずに進んでいきたいですね。

自分たちの世代が日本のバスケを大きく変える役割を担っていると思います。とにかく自分の目標に向かってやっているだけで、先駆者という意識はあまりないのですが、大学からBリーグを経て海外で活躍する、というような道筋を示すことで、次世代の選手にとっても、NBAがより現実的なものになると思います。

この1~2年以内のNBA入りを目指します。メルボルンとの契約は、現状では最善の選択だと考えていますが、今の自分にとって、その時々の一番良い選択をしていくと、チームを転々とするのは仕方がないと思います。オーストラリアはバスケの世界ランキングでは、アメリカ、スペインに次いで第3位なんです。NBA選手もたくさん輩出していますから、そこで活躍することはNBAへの道でもあります。

渡航制限やオリンピックの延期など、想定外のことが続いていますが、自分自身の夢はブレていないので、そのことで動揺するということはありません。やるべきことは変わらないですからね。

-後輩たちへのメッセージをお願いします

世界中が困難な状況にありますが、学生時代は、1日1日、その瞬間しかありません。だから、全力で100%楽しんでください。友達と遊びまくるのも、夢に向かってがむしゃらに進むのも、とにかく楽しんで。後悔のないように、満足する生き方をすることがなによりです。

サイン色紙

PROFILE

1995年 富山県生まれ
2018年 筑波大学体育専門学群卒業
・2017-18, 2018-19シーズン
アルバルク東京(Bリーグ)
・2019-20シーズン
テキサス・レジェンズ(NBAデベロップメント・リーグ)/
ダラス・マーベリックス(NBA)
・2020-21シーズン
メルボルン・ユナイテッド(NBL)
(取材日:2020年8月7日)



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