ALUMNI

新名 阿津子氏

2021/06

新名 阿津子(ニイナ アツコ)氏

1998年入学・2002年卒業 第二学群比較文化学類
2003年入学・2009年修了 生命環境科学研究科一貫制博士課程
[現在の職業(勤務先・役職等)]

伊豆半島ジオパーク推進協議会 専任研究員
2021年4月より 東北公益文科大学 准教授

(1) 現在のお仕事を聞かせてください。

2018年から伊豆半島ジオパーク推進協議会の専任研究員として、文化遺産目録の作成、サステナブルツーリズムの推進、人材育成などを担当していました。 サステナブルツーリズムの推進では、伊豆半島ジオパーク版のサステナブルツーリズム指標の開発やe-Bikeを使ったツアーの開発、SDGs研修などを行い、観光から環境、社会、経済の課題解決にアプローチしました。
2015年からはユネスコ世界ジオパークおよび日本ジオパークの現地審査員として、ジオパークの審査業務に携わっています。ここではジオパークの効果や課題を検証するとともに、これからの持続可能な開発を通じた社会のあり方について議論しています。 そして、2021年4月から東北公益文科大学の教員として、観光まちづくり科目を担当するほか、鳥海山・飛島ジオパークと連携した活動を展開する予定です。

(2) 今改めて、筑波大学で良かったと思うことを聞かせてください。

筑波大学で学問に出会い、多様な価値観にふれたことで、私の人生が自由になったと思います。最も大きな出来事は、筑波大学で地理学と出会ったことです。大学2年生のとき、文化地理学演習Bで訪れた福島県三春町での地域調査が私のフィールドワークデビューでした。 そこで都市景観を観察し、地域の人からお話を伺い、報告書を作成する中で、地理学の面白さや大変さを知りました。特に、時間とともに変化する景観を拙いながらも地図で表現できたことが嬉しかったです。 また同級生と読書会を開き、ともに学びあうことができたことも財産となりました。丹念な野外調査に基づく筑波大地理学の伝統的な研究手法を、大学・大学院で論理的にも経験的にも学ぶことができたことが、今のキャリアに繋がっています。
多様な価値観という点では、大学の内外に24時間365日、友人たちと語らえる時間と空間があることでしょう。学問から人生まで、しばしば朝までお酒を片手に語り合った友人たちとの出会いが、私の視野の狭さを大きく広げてくれました。今でも感謝しています。

(3) 本学と本学の学生に対してメッセージをお願いします。

今つくばを訪れるとアルト・ハイデルベルクの主人公のような気持ちになりますが、筑波大で学んだ時間を振り返ると、それは人生を豊かにしてくれる贅沢な時間だったと思います。いろんなことにチャレンジして、失敗も成功も経験してください。もちろん、何にもない平凡な一日、無為無策に過ごす日々、どれも大切です。その瞬間瞬間を大切にしながら、大学生活、大学院生活をお過ごしください。

創基151年筑波大学開学50周年記念事業