生物・環境

温泉から自己複製する未知の環状RNAを発見

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(Image by kan_khampanya/Shutterstock)
 高温の温泉環境から、自己複製する未知の環状RNAを発見しました。これまで、高温の環境では直鎖型ゲノムを持つRNAウイルスのみが見つかっていましたが、今回はそれとは異なる環状RNAの複製体を見いだしました。このことは、高温極限環境にも多様な自己複製RNAが存在することを示すものです。

 生物の多くはDNAを遺伝情報として持ちますが、RNAを遺伝情報として自己複製する因子も知られており、ウイルスやウイロイド(ウイルスよりも小さい感染性RNA分子)などがその例です。これらは生命の起源や進化を考える上でも重要な存在とされていますが、どのような環境にどのような種類の自己複製RNAが存在するのか、その全体像はよく分かっていませんでした。

 本研究チームはこれまでに、70-80℃の高温の温泉環境から極めて新奇な直鎖型ゲノムを持つRNAウイルスを発見しています。そこで今回、同様の高温環境において、異なるタイプの自己複製RNAを探索し、温泉中の微生物群集から、環状構造を持つ新しいタイプのRNA複製体を発見しました。この環状RNAは、既知の環状RNAとは塩基配列が大きく異なる一方で、高次構造的には共通した特徴を持つ新たな系統に属することが示されました。さらに公開データベース上のRNA配列を解析したところ、環状RNA複製体の多様性が従来の想定よりも大きく広がることも明らかになりました。

 本研究は、高温極限環境においても多様な自己複製RNAが存在することを示し、RNAを基盤とする複製システムの広がりや進化を理解する上で重要な手がかりとなるものです。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学生命環境系
浦山 俊一 助教

海洋研究開発機構
布浦 拓郎 上席研究員

農業・食品産業技術総合研究機構
松下 陽介 上級研究員

掲載論文

【題名】
Identification of hot spring Obelisk-like RNA replicons and expanded diversity of the Obelisk superfamily
(温泉由来のオベリスク様RNAレプリコンの同定とオベリスクの多様性拡張)
【掲載誌】
Nature Communications
【DOI】
10.1038/s41467-026-71096-6

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