生物・環境

温暖化と魚の食害が伊豆半島沿岸の昆布類の森消失に関与している

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(photo by Shigeki Wada)
 伊豆半島沿岸における40年以上の観測・調査データ分析から、黒潮大蛇行期の海水温と海洋熱波が上昇し、カジメ(昆布の一種)の生理的限界を超え、同時に藻食性魚類が摂食できる期間は最大86日長期化したことが分かりました。温暖化と食害の重なりが昆布類の森の消失と強く関連すると考えられます。

 大型の海藻が沿岸海域につくる生態系である「昆布類の森」は、多くの魚や無脊椎動物のすみかとなるほか、沿岸の生産性や炭素循環を支える重要な役割を担っています。しかし近年、日本各地で昆布類の森の衰退や海藻が繁茂しなくなる「磯焼け」が進んでおり、その原因として、海水温の上昇と藻食性魚類による食害の影響が指摘されています。

 本研究では、伊豆半島の約200kmの沿岸を対象に、40年以上にわたるカジメ(昆布の一種)の現存量記録と長期的な被度調査、衛星による海水温・海洋熱波のデータ、藻食性魚類の調査、さらにカジメの高水温耐性を調べる室内実験を組み合わせ、昆布類の森の衰退との関連を分析しました。

 その結果、黒潮大蛇行(日本南岸の暖流が南に大きく蛇行する現象)が続いた2017~2025年には伊豆沿岸の温暖化と海洋熱波が急激に強まり、カジメは約29.5℃を超えると光合成能力が急速に低下することが分かりました。同時に、藻食性魚類が活発に摂食できる期間は最大86日長期化しました。これらのことから、高水温による生理的ストレスと長期化した食害が重なってカジメの回復が妨げられ、伊豆半島で広く見られる昆布類の森の消失と磯焼けへの移行に関与していることが示されました。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学⽣命環境系
HARVEY Benjamin 助教

掲載論文

【題名】
Unprecedented warming and increased herbivory drive collapse of Japan's kelp forests
(前例のない温暖化と草食圧の増加が、日本のコンブ類の森の崩壊を招いている)
【掲載誌】
Global Change Biology
【DOI】
10.1111/gcb.71106

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