医療・健康
体内時計のペースメーカー細胞を特定~ 睡眠覚醒を司るキープレイヤー ~
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(International Institute for Integrative Sleep Medicine, WPI-IIIS)柳沢正史機構長は、米国テキサス大学サウスウェスタン医学センターのJoseph S. Takahashi教授らとの共同研究により、マウス脳内に体内時計を調節するペースメーカー細胞が存在することを証明しました。体内時計は脳の視床下部、視交叉上核内にある神経細胞によって調節されていることはすでに知られていましたが、具体的にどの細胞群が中心的な役割を担っているのかは明らかになっていませんでした。本研究では、視交叉上核にあるニューロメジンS産生細胞群が、マスタークロックとして機能していることを、世界で初めて突き止めました。
図A:マウス視交叉上核における、代表的な神経ペプチドを産生する細胞の分布。
図B:NMS細胞群(緑)のリズムを操作すると、行動リズムに同じ変化が反映されることから、この細胞群が体内時計の統合に必要充分であることが判る。
図A:マウス視交叉上核における、代表的な神経ペプチドを産生する細胞の分布。
図B:NMS細胞群(緑)のリズムを操作すると、行動リズムに同じ変化が反映されることから、この細胞群が体内時計の統合に必要充分であることが判る。