医療・健康

睡眠前の照明環境が睡眠時の体温とエネルギー代謝に影響を及ぼす

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人工照明は白熱電球、蛍光灯を経て現在はLED照明が普及するようになりました。その一方で、人工照明が生活のリズムに与える悪影響も懸念されています。そこで本研究では、LED照明と、よりまぶしさが少ない有機EL照明について、夜間に照射する光の違いが睡眠時の体温とエネルギー代謝に及ぼす影響を検討しました。


実験では、就寝前4時間において、LEDまたは有機ELという、波長の成分が異なる2種類の照明を用いた場合、および、光照射量を通常の約1/100に抑え薄明りにした場合の3条件を比較しました。その結果、睡眠前の4時間に有機EL照明の光を浴びた被験者は、同様にLED照明の光を浴びた被験者に比べて、入眠後1時間から7時間の間に、深部体温が下がり、エネルギー消費量も下がるとともに、その間の脂質酸化量が上がっていることが分かりました。これは、照明によって、睡眠時の体温、エネルギー代謝、脂質代謝が影響を受ける可能性があることを示しており、照明の制御が、睡眠時の正常な代謝を促すための一助になることを示唆しています。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構
徳山 薫平 教授

山形大学 学術研究院
城戸 淳二 教授(大学院有機材料システム研究科担当)

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国際統合睡眠医科学研究機構


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