医療・健康

先天性心疾患患者の小児期における身体活動は成人期の身体活動と関連する

研究イメージ画像
(Image by Tatevosian Yana/Shutterstock)
 先天性心疾患患者において、小児期の身体活動が活発なほど、成人期の座位時間が短く身体活動時間も長くなる傾向を見いだしました。この知見は、先天性心疾患患者に対する個別最適化された生活習慣改善プログラムの構築に貢献すると期待されます。

 心臓疾患の管理と外科手術技術の進歩により、先天性心疾患(CHD)患者の約90%が成人期まで生存できるようになりました。一方、成人を迎えたCHD患者は後天的な心血管疾患や精神的な不調のリスクが高いことが知られています。座位行動を減らして身体活動を増やすことは、CHD患者の健康増進に貢献すると考えられますが、これを客観的に評価した研究は少ないのが現状です。そこで本研究では、CHD患者における小児期の身体活動と成人期の座位行動および身体活動の関連を調べました。

 CHD患者125名(18~74歳)を対象に、小児期(小学生期)の身体活動と成人期(現在)の座位行動および身体活動を評価しました。小児期の身体活動として外遊びの頻度、体育の授業への参加状況、スポーツクラブへの参加状況、身体活動制限の有無を尋ね、成人期の座位行動および身体活動は加速度計を用いて客観的に評価しました。

 分析の結果、小児期に時々・よく外遊びをした者は、あまり・全く外遊びをしなかった者と比較して、成人期の座位時間が短く、中高強度身体活動時間が長いことが分かりました。また、小児期に身体活動の制限があった者は、成人期の中高強度身体活動時間が短いことが示されました。

 座位行動および身体活動はCHD患者の健康に関連する重要な因子の一つです。本研究により、CHD患者における小児期の身体活動は成人期の座位行動および身体活動の形成に寄与する可能性が示されました。これらの知見は、CHD患者に対する個別最適化された生活習慣改善プログラムの構築に貢献すると期待されます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学体育系
小﨑 恵生 助教

筑波大学医学医療系
松井 公宏 研究員

掲載論文

【題名】
Association between childhood physical activity and adulthood sedentary behavior and physical activity in patients with congenital heart disease.
(先天性心疾患患者における小児期の身体活動と成人期の座位行動および身体活動の関連性)
【掲載誌】
Canadian Journal of Cardiology
【DOI】
10.1016/j.cjca.2026.02.055

関連リンク

体育系
医学医療系