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がん緩和ケアに伴う便秘へのナルデメジン予防内服は費用対効果に優れる

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(Image by LeoWolfert/Shutterstock)
 緩和ケアの治療で、がん患者への強い鎮痛剤オピオイドの使用は、便秘を誘発することが知られています。その治療にナルデメジンという薬が使われますが、予防内服は公的保険の対象外です。本研究では、オピオイド治療と同時にナルデメジンを予防内服すると費用対効果に優れることを明らかにしました。

 緩和ケアを受けるがん患者にとって、オピオイド(強い鎮痛剤)は非常に重要な薬剤です。しかし、これを使用すると便秘(オピオイド誘発性便秘)が生じることが多く、患者の生活の質を低下させ、治療の継続が困難になる場合もあります。近年、その治療薬として、ナルデメジンという腸の動きを正常に保つことで便秘を防ぐ薬が開発され、使われるようになりました。また、がん患者が新たにオピオイドを開始する際に、ナルデメジンを併用すると、便秘の予防と、生活の質の向上や吐き気の予防に効果があることも報告されています。しかしながら、ナルデメジンの予防内服は、2025年時点では公的保険の対象外であり、標準治療としても確立されていません。患者に広く届けるためには医療費の観点からの評価が必要です。

 本研究では、初めて定期的にオピオイド治療を開始するがん患者において、ナルデメジンを予防内服する場合の費用対効果を分析しました。その結果、増分費用効果比(国民1人の健康寿命を1年延ばすために追加的に社会全体で支払う費用)は、質調整生存年あたり1,445,276円と評価されました。日本では、新しい医療により効果を得るために支払う追加費用の基準は500万円とされており、緩和ケアにおけるナルデメジンの予防内服は費用対効果に優れることが示されました。

 本研究結果は、がん患者の緩和ケアにおいてナルデメジンの予防内服が保険診療として認められたり、緩和ケアガイドラインに掲載されたりするための強力な根拠となり得るもので、適切な痛みの治療につながると期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系
大久保 麗子 講師
近藤 正英 教授

国際医療福祉大学 病院教授・医学部准教授・大学院准教授
国際医療福祉大学成田病院 緩和医療科部長/緩和ケアセンター長
結束 貴臣

掲載論文

【題名】
Cost-effectiveness of prophylactic naldemedine for opioid-induced constipation in patients with cancer
(がん患者におけるオピオイド誘発性便秘に対するナルデメジン予防内服の費用効果分析)
【掲載誌】
Journal of Palliative Medicine
【DOI】
10.1177/10966218261440391

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