医療・健康
姿勢を支える机と椅子がeスポーツ中の認知機能と ゲームパフォーマンスを高める
机や椅子で姿勢を支える環境が、eスポーツ中の気分や認知機能、ゲームパフォーマンスに影響することを示しました。立位や前傾座位には序盤の認知機能とゲームパフォーマンスを高める利点があり、後傾座位には長時間のプレー後に認知疲労が生じにくい特徴があることが分かりました。
人類はしゃがんで休む姿勢に適応してきましたが、現代では椅子に長時間座る生活による身体や認知機能への負担が課題です。立位には健康・認知面での利点が知られていますが、eスポーツ中の姿勢を支える環境の役割は不明でした。
本研究では、日常的にゲームを楽しむ若年成人男性25人が、最大3時間バーチャルサッカーをプレーする際に、天板の高さを調整できる昇降デスクと、背もたれ・座面の傾きを調整できる椅子を用い、実験1(10人)では立位と通常座位、実験2(15人)では前傾座位と後傾座位を比較しました。各実験においては同じ参加者が二つの条件でプレーを別日に行い、順序は無作為に決めました。
実験1では、立位で序盤に活力が高まり、認知課題での妨害刺激による反応の遅れ(干渉時間)が短くなりました。シュート数や成功率も通常座位より高まりました。一方、1時間後には通常座位より疲労感が強く、干渉時間も長くなりました。開始1時間後以降には、10人中5人が疲労や脚の不快感でプレーを中止しました。
実験2では、前傾座位で後傾座位より活力が高くなり、シュートやパスが増えて攻撃的なプレーが促進されました。また、1時間後の干渉時間が短くなりました。一方、3時間後には認知課題の正答率が後傾座位より低くなりました。後傾座位では正答率の低下は認められませんでした。
これらの結果から、立位や前傾座位は短時間の認知機能とゲームパフォーマンスを高め、後傾座位は認知機能の持久性を支える姿勢として活用できる可能性が示されました。目的や時間に応じた姿勢環境の設計が、デジタル活動時の認知パフォーマンスと健康の両立に役立つことが期待されます。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学体育系松井 崇 准教授
株式会社オカムラ ワークデザイン研究所
浅田 晴之
掲載論文
- 【題名】
-
Posture-Environment Design Promotes Executive Function and Gaming Performance during Esports Play
(eスポーツプレー中の姿勢環境デザインは実行機能とゲームパフォーマンスを高める) - 【掲載誌】
- Computers in Human Behavior Reports
- 【DOI】
- 10.1016/j.chbr.2026.101325