医療・健康

スポーツ観戦により先天性心疾患患者の抑うつ症状が低減されうる

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(Image by Piotr Piatrouski/Shutterstock)
 先天性心疾患患者において、スポーツ観戦の頻度が抑うつ症状と関連する可能性を見いだしました。特に、スポーツの現地観戦や、テレビなどを通じた定期的なスポーツ観戦は、抑うつ症状の少なさと関連していました。本研究成果は、先天性心疾患患者の心の健康に対する余暇活動の可能性を示すものです。

 先天性心疾患は、生まれつき心臓に構造的な異常などがみられる疾患の総称です。医療技術の進歩により、多くの患者が成人期を迎えていますが、成人患者では、抑うつや不安などの心の健康が課題となっています。身体活動は心の健康の維持・増進に役立つ可能性がありますが、先天性心疾患患者の中には、運動やスポーツへの参加が難しい人もいます。

 近年、一般集団を対象とした研究において、スポーツを「する」ことだけでなく、「観る」ことも心の健康と関連する可能性が報告されています。そこで本研究では、先天性心疾患患者108名を対象に、スポーツ観戦(競技場などでの現地観戦、およびテレビ・インターネットを通じた観戦)の頻度と抑うつ症状の関連を調べました。抑うつ症状は質問票を用いて評価し、年齢、性別、体格、疾患の重症度、運動の実施状況などを考慮して分析しました。

 その結果、過去1年間に1回以上スポーツを現地観戦した人は、しなかった人と比較して、抑うつ症状が少ないことが示されました。同様に、テレビ・インターネットを通じて週1回以上スポーツ観戦をしていた人は、全く観戦しなかった人よりも抑うつ症状が少ないことが分かりました。

 本研究結果は、先天性心疾患患者において、スポーツ観戦が心の健康と関連する余暇活動の一つになりうることを示唆しています。スポーツ観戦と心の健康との因果関係や、その背景にある心理社会的なメカニズムを明らかにすることで、患者一人ひとりの生活状況に応じた心理社会的支援の充実につながると期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学体育系
小﨑 恵生 助教

掲載論文

【題名】
Watching sports is associated with fewer depressive symptoms in adults with congenital heart disease
(先天性心疾患患者におけるスポーツ観戦は抑うつ症状の少なさと関連する)
【掲載誌】
European Journal of Cardiovascular Nursing
【DOI】
10.1093/eurjcn/zvag226

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