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英文の「客観的な難しさ」と「主観的な難しさ」は似て非なるもの

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(Image by wear it out/Shutterstock)
 同じ英文でも、すべての学習者が一様に難しいと感じるとは限りません。本研究は、大規模言語モデルなどを用いた客観的な指標による英文の難易度と、学習者が主観的に感じる難易度は総じて強く関連する一方、客観的な指標では捉えられない個々の学習者が感じる主観的な難しさがあることを示しました。

 英語教育において、教材やテストに使用される英文が「どのくらい難しいか」を評価することは重要な問題です。これまで英文の難易度は、そこに含まれる単語や文の特徴に基づいて客観的に評価する方法が広く用いられてきました。しかし、同じ英文でも、難しさの感じ方は学習者によって異なります。そこで本研究では、英文の客観的な難易度と、学習者が主観的に感じる難易度がどの程度一致、または異なるのかを検討しました。

 まず、難易度の異なる30の英文について、単語や文の特徴に基づく従来の読みやすさ指標と、大規模言語モデルを用いた方法によって、客観的な難易度を評価しました。また、主観的な難易度については、日本語を母語とする大学生・大学院生41名が同じ英文を読み、難易度を9段階で評価しました。両者の関係を分析したところ、客観的に難しいと評価された英文ほど、学習者からも難しいと評価される傾向が明確に見られました。さらに、これらの難易度指標は、英文を読んでいる間の視線の動きとも関連し、難易度の高い英文ほど、読解時間が長くなり、単語の読み飛ばしが減る傾向が見られました。一方、視線の動きをより正確に説明する上で、学習者個人による難易度判断と、学習者全体の平均的な判断との差が重要であることが分かりました。

 本研究成果は、英文の客観的な難易度と学習者が感じる主観的な難易度は全体としてよく一致するものの、両者が完全に同じではないことを示しており、個々の学習者に適した読解教材の選定や、学習者に応じた支援のあり方を考える上で重要な知見を提供しています。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学人間系
名畑目 真吾 助教

富山大学学術研究部教育学系
小木曽 智子 准教授

掲載論文

【題名】
Subjective and Objective Text Difficulty in L2 English Reading: Exploring Their Interplay in Relation to Eye-Movement Behavior
(第二言語としての英文読解における主観的及び客観的な文章難易度:視線行動との関連から探る両者の関係)
【掲載誌】
Reading & Writing
【DOI】
10.1007/s11145-026-10888-0

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人間系