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人間への興味が研究の糧に

讃井 知さんの写真

映画好きで週に3~4本は見る。ジャンルは問わない。



讃井 知さん

讃井 知さんの写真つくば観光大使当時のイベントにて

システム情報工学研究科(博士後期課程)
社会工学専攻社会工学学位プログラム3年



叩けよされば開かれん――讃井さんの歩みを一言で表現すれば、こうなるだろうか。
讃井さんは2011年、本学の人文学類に合格し、大学生活を始めた。言語学や哲学を受講する文系人間だった。だが、2年時に理系の社会工学類に転学類した。

きっかけは、入学直前に発生した東日本大震災だ。岩手県にある母方の実家も被災し、さびれつつあった地方都市の活気が更に失われた。次第にまちづくりや公共政策に関心が向くようになり、社会問題を研究する社会工学という学問分野に出会ったのだ。

転学類の試験は数学と面接。数学の出来は最悪だったが、面接では「政策作りにはデータの検証が必要で、数学をきちんと学びたい」と率直に訴えた。合格した。

「先生方はみな転学類を後押ししてくれた。 私のためだけに時間を作って微積分を教えてくれた教授もいた。人を信じ、支えてくれる寛容さが筑波大にはある」と振り返る。

実は、大学院に進んだ讃井さんの専門は「行動科学(心理学)」だ。人間の認知や心理傾向から人々の行動を説明したり、人々に望ましい行動を促したりする分野だ。一般的な社会工学のイメージとは異なるかもしれないが、「人々の思いを汲み取り、社会問題の解決につなげたい」という思いは変わらない。

周囲からは「いろんなことをやってるね」とよく言われる。具体的な研究テーマも、東日本大震災の被災地復興に加え、犯罪者の更生支援や特殊詐欺の予防まで幅広い。

でも、「高校時代から生身の人間に興味があった。そういう意味で、私の中では一貫しているんです」と笑う。

課外活動も充実している。

2013~15年につくば観光大使を務め、つくば市の魅力を発信するイベントなどに参加。 立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」を活用したつくばのツアーガイドも経験した。昨年は、つくば市内の大学院生らの集まり「つくば院生ネットワーク」の代表として手話通訳付きの研究発表会を開き、報道もされた。

こうした活動は、大好きなつくばへの恩返しの意味もあったという。

今年度中の博士号取得を目指しており、研究者・教育者としての道を歩むつもりだ。その第一歩として今秋、他大学の非常勤講師となり、情報発信に関する講義を担当する。

「人間への興味」が、これからも讃井さんの糧となっていくことだろう。



後輩にひとこと

高校時代、何も将来のことが分からなくても、人と違っても、自信を失う必要はありません。さまざまな知識、経験をできるだけ吸収しておいてください。大学での学びがそれを線で結び、将来につなげてくれます。

讃井 知さんの写真