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シェパード・ジャックリン・マリーさん(Japan-Expertプログラム日本芸術コース 芸術専門学群2年次)

デジタルと日本美の融合目指す

マリーさんの写真

シェパード・ジャックリン・マリーさん

マリーさんの写真
古刹を訪ねるのも好きだ(京都府宇治市の興聖寺で)

芸術専門学群2年
Japan-Expertプログラム日本芸術コース

筑波山の裾野に広がる緑、そして家並み。

本学で留学生活を送り始めたシェパードさんは、つくば市の風景を見て驚いた。実家のある米ワシントン州バンクーバー市にそっくりだったのだ。そして、その住みやすさに、すっかり魅入られてしまった。「居住者の人種も国籍も多様で未来都市のよう。東京より空気もきれいで、生活に不便もない」

現在は日本画を専攻しているが、デジタル技術なども同時に学んでいる。「最新のテクノロジーと日本の伝統美を調和させた3D作品や映画を作る」のが将来の夢だ。

高校時代に松江市を旅行したことがきっかけで、日本への留学を考え始めた。実は、母方の祖母は京都出身の日本人で、松江藩の武士の家系。今も同市で暮らす親族を訪ね、国宝の松江城などを初めて観光して回った。

「お城の中に入り、美しいのに力強い日本の精神を感じた。祖先がここにいたのだと感激し、日本のことをもっと知りたいと思った」と振り返る。「アニメなどオタク系」という日本文化のイメージが覆った瞬間だった。

帰国後に独学で漢字を習い始め、地元大学で日本語を本格的に学んだ。そうした努力が実を結び、日本政府の国費留学生となった。

来日後は大阪大学で1年間、日本語や基礎科目の講義を受けた後、2019年4月に本学芸術専門学群に入学した。

本学を選んだのは総合大学としての魅力が大きかったからだ。「芸術専門学群があり、純粋な日本美術を学べる一方、情報やデジタル技術にも強い。そんな大学はない。新しい媒体を使って芸術を発信したいと考えていた自分にとって、ぴったりだった」と言う。

新型コロナウイルスの感染拡大もあり、今年度は自宅で絵を描く時間が増えたが、日々は充実している。ある時は、まるで化学実験のように、鉱物の粉末から作った岩絵の具と膠を混ぜて日本画を描く。また、ある時は情報系の授業に出て、プログラムを組む。

思うように絵が描けなかったりした日の気分転換方法は、サイクリングだ。イタリア製のロードバイクに乗って山道を走る。

もう一つは和食だ。自分でも作る。「母は日本文化を大切にしていて、和食をよく作ってくれた。白みそのお味噌汁が好き。一汁三菜をいただくと、心が落ち着きます」

自らのルーツも生かしつつ、オリジナリティーにあふれた芸術活動を目指し、シェパードさんはつくばの地で力を蓄えつつある。



後輩にひとこと

筑波大は、他大学に比べ、学べる学問の領域がとても広く、留学生も多いのが大きな特徴です。世界の縮図と言っていいかもしれません。だからこそ、世界に活動の舞台を広げようとする学生にとって、筑波大での学びや生活は、その土台となるはずです。

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創基151年筑波大学開学50周年記念事業