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ファン・ホアイ・リンさん(医学群看護学類3年次)

日越を結ぶ存在になりたい

リンさん写真1

ファン・ホアイ・リンさん

リンさん写真2

医学群看護学類 3年

 リンさんはベトナム北中部ゲアン省出身。技能実習生として2016年に来日し、3年間働いたことが、人生の転機になった。
 祖父と母が漢方医だったこともあり、自身も首都・ハノイの大学で伝統医療を学ぶつもりだった。しかし、大学受験に失敗。進路に迷っていた時に、知人の紹介で技能実習生の送り出し機関を訪ねた。そこで出会ったベトナム人の日本語通訳者は、技能実習後に日本への留学を果たしていた。
 「技能実習生として働けば、お金もある程度たまるし、日本語も勉強できる。日本への留学につながると思った」と振り返る。
 受け入れ先になったのは、工場の配管工事などを請け負う兵庫県尼崎市の企業だった。「社長さんはとても親切で、配管の溶接や取り付けなどの仕方を情熱的に教えくれた」と語る。企業からは、もっと続けないかと誘われたが、3年の契約期間終了と同時に帰国し、留学の準備を進めた。
 そうした中で知ったのが、本学のジャパン・エキスパートプログラムだ。日本の国内や母国の日本関連企業での就職を希望する留学生向けで、以前から関心があったヘルスケアを学ぶコースがあるのも魅力だった。
 2020年12月に再来日し、現在は看護学類の学生たちと一緒に、人体の構造や機能などの授業や、最新の医療・ケアの現場での実習などに取り組んでいる。4年間のプログラム修了後も本学に残り、日本の看護師資格の取得を目指すという。
 「日本はどこにいても安全で、とても住みやすい。今年8月に高校の同級生と結婚し、つくばで一緒に暮らし始めました。日本で子育てができればいい」とはにかむ。
 カトリック教徒で、毎週日曜日には、つくば市内のカトリック教会に通っている。教会に通うベトナム出身者は約40人。そのリーダーとして、年末はクリスマスのイルミネーションやイベントの準備に奔走した。 気分転換は、妻と一緒のドライブやショッピング。時には、ベトナム料理にも腕をふるう。エビや豚肉を甘辛く炒め、かたくり粉で作った透明な皮で包んだベトナム風ゆでぎょうざ「バイン・ボット・ロック」が得意だ。
 看護師資格取得後は、日本の病院に就職できればと考えている。だが、長期的には、身に付けた日本語能力を生かして起業し、「貿易などで日本とベトナムを結ぶ仕事ができれば」と、将来の夢を思い描く。



後輩にひとこと

リンさん写真3

 皆さんに一番大切にしてほしいのは、時間です。時間は私たちを待ってくれません。時間を無駄遣いせず、今できることに取り組むべきです。私が技能実習生だった時には、少ない自由時間を日本語の勉強にあてました。それが留学にも大いに役立ちました。

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