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マンガに色彩を与えたい

瀧波さん写真1

つくばは学生向け飲食店のレベルが高い



瀧波 謙太さん

瀧波さん写真2

芸術専門学群 4年



 世界の学生が対象のマンガコンテスト「国際コミック・マンガスクールコンテスト2022」(株式会社セルシス主催)のバンド・デシネ部門で今年7月、応募作品が入賞した。その後、国内の出版社から作品制作の声が掛かるようになり、大学卒業後は、プロの作家として歩む気持ちが固まった。
 バンド・デシネはフランス語圏で親しまれているマンガ形式で、フルカラーの単行本での刊行が多い。瀧波さんは大学3年次、芸術専門学群のビジュアルデザイン領域に進み、マンガを専攻することを決めた。だが、日本のマンガ表現は主にモノクロで、中学、高校と美術部に所属し、油絵などを描いてきた身には物足りなかった。マンガに色彩を与えたいと考え、調べる中で出会ったのがバンド・デシネだった。「色彩豊かで、絵にリアリティーがあり、驚いた」と振り返る。
 入賞作のタイトルは「変温動物的紀行」。デジタル作品だが、水彩画を思わせるタッチで、「絵は独創的で美しい」「構図や視線の誘導は巧み」など、好意的な評価を受けた。体温調節が難しい特異体質なのに旅行作家を続ける女性と、プロのライターになるのを諦めかけている男子大学生が登場する。
 瀧波さんは「マンガ家を目指す人は、子供の頃から描いていたという人が多い。自分が書き始めたのは大学に入ってからで、随分遅い。向いているかどうか悩む事もある。そんな自分の姿を、向いていないことを続ける登場人物たちに投影した」と説明する。
 実は、瀧波さんは3年次を2度経験した。コロナ禍で授業が全面的にオンライン化した2年前に、半年間休学したからだ。
 大学で友人たちと会い、刺激を受けることがなくなり、マンガの道に進んでいいか不安を覚えていた。休学して1カ月間、好きな絵を思い切り描きまくった。ストーリー作りの勉強をしようと、映画もたくさん見た。そうやって過ごすうちに、やはりマンガに取り組もうと、決意することができたという。
 大学生活も5年目を迎えたが、つくばの風景がすっかり気に入った。つくば駅周辺など中心部はビルが建ち並ぶ一方、しばらく歩くと、一気に田園地帯が広がる。科学の街と田舎の混在が心地いい。
 マンガのアイデアが浮かばない時は、そんなつくばのまちを散歩しながら、あれこれ思いを巡らす。色彩を追求する〝逍遥〟マンガ家の誕生は近そうだ。



後輩にひとこと

 私がマンガを描き始めたのは、大学に入ってからでした。どうしてこんなに苦しいことを始めたのかと思う時もありますが、新しいことに挑戦できるのは、大学時代ならばこそ。皆さんも、その貴重な時間を当たり前だと思わず、大切に過ごしてください。

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