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微量の発汗を正確に連続測定可能なウェアラブルパッチを開発

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 活動時のみならず安静時の微量な発汗(体表面からの水の蒸散)も、正確に連続モニタリング可能な先進的ウェアラブルデバイスを開発しました。運動や暑熱などに伴う脱水状態だけでなく,日常生活における心身の健康管理や疾患診断など幅広い分野への応用が期待されます。

 ヒトにとって体内の水分量の調節は、生命活動を維持する上で極めて重要です。発汗は心身の健康状態とも密接に関連していますが、現在のウェアラブル技術では、日常生活において、比較的多量の汗しか連続してモニタリングできませんでした。


 本研究では、安静時でも生じている体表面からのごく微量な水の蒸散(不感蒸泄性発汗)も正確にモニタリングできる、肌に張り付けるタイプの薄くて(1㎜)軽い(1g)ウェアラブルパッチを開発しました。パッチ内の流路には,植物の吸水メカニズムを模倣した超親水性ポリマー製スポンジが充填されており、微量の汗(水蒸気)を迅速かつ確実に捕捉できます。また、流路に入った汗を食用色素で着色し、発汗を「見える化」することで、発汗量と発汗速度(脱水状態)を視覚的に確認できます。さらに,パッチには汗の水素イオン濃度(pH)やナトリウムイオン、カリウムイオン、グルコースなどの化学成分を連続的に検出するセンサーが組み込まれており、これらの濃度変化をリアルタイムで取得できます。


 このパッチを頭部など体のさまざまな部位に貼り付けて日常生活を送る実験を行い、微量の発汗を計測した結果、パッチの有効性と計測の信頼性が確認されました。


 脱水管理、緊張状態やストレス状態の観察,疾患診断,心身の健康管理、スポーツパフォーマンスの最適化など幅広い分野への応用が期待される成果です。パッチを個人個人が装着して活用することから、特に個別化医療の進展に貢献すると考えられます。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学数理物質系
辻村 清也 教授

掲載論文

【題名】
Nature-Inspired Superhydrophilic Biosponge as Structural Beneficial Platform for Sweating Analysis Patch
(超親水性バイオスポンジを備える発汗分析パッチ)
【掲載誌】
Advanced Science
【DOI】
10.1002/advs.202401947

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