テクノロジー・材料

単一放射線粒子の位置をリアルタイムで正確に検出できる検出器を開発

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(Image by luchschenF/Shutterstock)
 素粒子実験などにおいて粒子の検出に用いられているシリコン(Si)半導体は、高放射線環境下では異常を来たすため長期利用は困難です。今回、放射線耐性がより高い窒化ガリウム(GaN)半導体を用いて、単一の放射線粒子の位置をリアルタイムかつ2次元で正確に検出することに成功しました。

 シリコン(Si)半導体は、私たちの身の回りでたくさん使われていますが、高い線量の放射線に曝される環境では、特性劣化や誤動作、故障を引き起こすため、長期利用が困難です。そのため、高エネルギー加速器を用いた素粒子実験や、原子炉の格納容器内部での使用、長期間の月面探査といった場面では、新たな材料開発が必要になります。

 高放射線環境で長寿命動作できる材料として、原子の結合が強いワイドギャップ半導体があります。中でも窒化ガリウム(GaN)は、青色LEDや高周波パワー素子に使われています。しかしながら、素粒子実験における粒子の2次元位置検出において、これまで、GaN半導体を検出器に用いた例はありませんでした。

 本研究では、ピクセルサイズ100µmの縦型GaN放射線検出器を作製し、単一のα粒子およびキセノン(Xe)重粒子の位置をリアルタイムで検出することに成功しました。この検出器は、Siを用いたものと比べて約10倍の放射線量でも動作できます。また、GaNは大面積かつ高品質な試料が入手可能であることから、実用性にも優れていると言えます。

 本研究成果により、高放射線環境でも粒子線の2次元位置検出が可能になりました。この技術は、高エネルギー加速器、宇宙開発、原子力発電所、放射線医療分野への貢献が期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学数理物質系
奥村 宏典 准教授

掲載論文

【題名】
GaN radiation detectors with low-gain avalanche diode structure
(LGAD構造を持つGaN放射線検出器)
【掲載誌】
Japanese Journal of Applied Physics
【DOI】
10.35848/1347-4065/ae2dad

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