テクノロジー・材料
人工知能を「人と関係を結ぶ存在」として捉える理論モデルを提案
映画・アニメ・文学・ゲームなどのフィクション作品に描かれてきた人工知能(AI)の位置付けを分析しました。その結果、AIは単なる道具的存在としてではなく、人間を支援する存在、共に行動する仲間、さらには対等なパートナーへと、関係性を変化させながら描かれてきたことが分かりました。
人間と人工知能(AI)の関係は、生成AIや対話型AIの普及により、単なる道具としての利用を超えたものとして社会の中に広がりつつあります。AIと対話し、助言を受ける経験を通じて、人はAIを機能的なシステムとしてだけでなく、何らかの役割や立場を持つ存在として捉えるようになっています。しかし、人とAIの共生がどのような関係として理解され、受け入れられてきたのかについては、技術的な性能評価だけでは十分に説明できません。
本研究では、映画・アニメ・文学・ゲームなどのフィクション作品に描かれてきたAIに注目し、人とAIの共生がどのような関係として表現されてきたのかを体系的に分析しました。その結果、フィクションにおけるAIは、単なる道具的存在から、人間を支援する存在、共に行動する仲間、さらには対等なパートナーへと、役割や位置付けを変化させながら描かれてきたことが明らかになりました。
本研究は、こうした関係の変化を「文化的プロトタイプ」として整理し、AIを能力や機能の集合としてではなく、「人と関係を結ぶ存在」として理解するための理論モデルを提示するものであり、今後の対話型AIや教育支援AIの設計、AI倫理や社会受容の在り方を考える上でも重要な視点を提供すると期待されます。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学システム情報系星野 准一 准教授
掲載論文
- 【題名】
-
Fictional Prototypes of AI-Human Coexistence and Relationality
(フィクションに描かれる人とAIの共存モデル) - 【掲載誌】
- AI & Society
- 【DOI】
- 10.1007/s00146-025-02830-9