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車の走行音を変化させて歩行者に危険を知らせる新手法を開発

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(Image by Shutterstock AI Generator/Shutterstock)
 車両走行音の周波数(音の高さ)を、衝突までの時間に応じて動的に高めることで、歩行者が接近車両を実際より「近く、速く」に知覚し、衝突リスクをより早期に見積もる手法を開発しました。警告音を用いずに歩行者に危険を知らせることができ、新しい注意誘導技術として期待されます。

 都市部で歩行者の安全を守る方法として、スマートフォンやイヤホンで危険を知らせる技術の研究が進んでいます。しかし、大きな警告音や強い振動はストレスになり、何度も鳴ると無視される恐れがあります。そこで本研究では、新しい警報音を鳴らすのではなく、イヤホンで周囲の音に情報を加える「音響拡張現実」を使い、車の走行音そのものを少し加工して自然に注意を促す方法を提案しました。

 人の聴覚は、近づいてくる音源を、音の大きさの増加や周波数(音の高さ)の上昇といった複数の手がかりから捉えており、特に周波数の変化は、音の大きさだけでは判断しにくい遠くの音源に対しても有効に働きます。この仕組みを利用し、車が近づくほど走行音の周波数を高い方へ人為的にシフトさせることで、歩行者が車の速さや距離、衝突までの時間をどう感じるかを調べました。

 VR(仮想現実)の街中環境において、30人を対象に実験したところ、衝突までの時間が短くなるほど音を高くすると、歩行者は車が実際より速く、近くに来ていると感じ、衝突の危険を早めに見積もることが分かりました。また、周波数を最大3倍まで高めても、車の音としての自然さは概ね保たれました。これは「車の音が高いほど速そうだ」という経験に基づく反応と考えられます。

 本成果は、不快な警告音に頼らずに歩行者の危険察知を助ける新しい交通安全技術として期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学システム情報系
善甫 啓一 准教授

掲載論文

【題名】
Modulating Auditory Looming Perception via Dynamic Frequency Shifting to Enhance Pedestrian Situation Awareness
(歩行者の状況認識向上のための動的周波数シフトによる聴覚的ルーミング知覚の変調)
【掲載誌】
IEEE Access
【DOI】
10.1109/ACCESS.2026.3706113

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