① 現在のお仕事を聞かせてください。

新薬の臨床開発を担当する部門に所属していた際に，会社の国内留学を活かして，筑波大学で勉強，研究を行いました。2年間の修士課程修了後に会社に戻り，仕事をしながら博士課程で研究を継続し，2011年に博士課程を修了しました。筑波大学の留学を機に臨床開発部門から経営企画統括部に異動し，国のワクチン政策が与える弊社ビジネスの影響を分析する業務に従事した後，現在は，高齢者肺炎球菌感染症の予防ワクチンのマーケティングの責任者をやっています。

② 今改めて，筑波大学で良かったと思うことを聞かせてください。

研究に集中できる環境，また，研究での疑問に助言（答えではなく，私が自分自身で問題を解決するためのヒント）を頂ける多様な領域の先生方がいらっしゃった事です。ヒューマン・ケア科学は現役で医療に携わっておられる社会人の方も多く，そういった方々とディスカッションができたことも視野を広げられたという意味で非常に良かったと思います。

③ 本学と本学の学生に対してメッセージをお願いします。

在学中に学んだ臨床経済学での知識や経験が，当事は想定もしなかった程，今の業務に活かされています。また，指導教官や在学中にお世話になった他領域の先生方，あるいは，研究中にディスカッションに付き合って下さった先輩とは，現時点でも，当時と変わらず交流が継続しており，仕事に対するアドバイスも頂いています。社会人になれば一つの事に深く時間を費やす機会は限られますので，在学中は目の前の研究に没頭しつつ，その中で，多くの先生方や先輩，後輩と積極的に接することで多様な考え方を学ばれるとよいと思います。