ALUMNI

大西 泰斗氏

2017/07

大西 泰斗(オオニシ ヒロト)氏

1980年入学・1984年卒業 筑波大学第一学群人文学類
1984年入学・1989年修了 文芸・言語研究科博士課程

東洋学園大学 教授
NHK Eテレ語学番組「しごとの英会話」ほか講師

① 現在のお仕事を聞かせてください。

大学では、言語学に基づいた英語教育の方法論を再構築しています。それを講義やNHK Eテレ語学番組、講演会を通じて実践しています。高校までの学校教育において英語は「訳す」ことを中心にしています。でも、高校を卒業したら普通に海外で英語が話せるというようにこの国の英語教育を変える必要があると考えています。文法の指導はもっと簡略化しないといけないし、指導要領も変えていかなくてはなりません。現在はそのために、教材開発に取り組んでいます。

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② 今改めて,筑波大学で良かったと思うことを聞かせてください。

宿舎生活だったため、夜遅くまでテスト対策のためにクラスの仲間とそれぞれの得意分野を教えあったりして、今で言うところの「アクティブ・ラーニング」が自然にできる環境だったと思います。理解を深める上でも、「人に教える」という仕事をする上でも良い経験になりました。学生の頃は、せっかく学費を払うのなら、広く知の世界を見たいと思っていました。筑波大学が当時から「学際性」が際立っていて、このことはその後の人生にずいぶん役立ったと思います。今にしてみれば、もう少し理系の科目、数学や物理をとっておけばよかったです。向学心から大学院に進学して、恩師に学び、運命は変わったといえるでしょう。筑波大学でなければ、研究は続けていないし、きっと本も出していない、テレビにも出ていないと思います。

③ 本学と本学の学生に対してメッセージをお願いします。

食わず嫌いな分野の授業を受けてさまざまな領域に触れてください。そして読書によってロジカルな思考を養うことです。もうひとつ、スポーツやトレーニングで体力を培うことも大切です。20代でつけた体力や集中力はその後の人生の気力に繋がります。人生には孤独に耐えてでもがんばらなければならない場面があります。仲間だとかコラボだとかばかりに血道をあげるくらいなら、トレーニングするか本を読んだほうがずっと有意義です。真の意味でクリエイティブな考えは孤独な精神にしか宿りません。孤独の価値を見極めて欲しいと思います。

創基151年筑波大学開学50周年記念事業