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財団法人日本英語検定協会第30回(2017年)英検研究助成研究部門入選
人文社会科学研究科 政所 里佳

学生・大学院生

人文社会科学研究科博士前期課程1年の政所里佳氏(指導教員:人文社会系 卯城祐司教授)が,財団法人日本英語検定協会第30回(2017年)英検研究助成研究部門に入選し,2017年(平成29年)7月22日,アルカディア市ヶ谷私学会館(東京都)において入選証書の贈呈を受けました。

この研究助成金制度は,実用英語の一層の普及・発展と英語能力検定試験の質的向上を目的に1987年に設けられました。英語能力テスト及び英語教育に関する研究企画を広く募集し,優秀な企画に対して助成金を交付し,10ヵ月間の研究後,その結果を公表する制度です。この制度には,研究,実践,調査の3つの部門があり,政所氏が入選した「研究部門」は,英語能力の測定・評価に関し,その改善向上や英語教育に役立つものが要求されています。

今回対象となったのは「パラフレージング・レベルによる錯乱肢の作成―誤答分析に基づくテキスト理解度の診断に向けて―」と題する研究です。本研究は,英文読解テストの問題である,パラフレーズ質問の解答時に受験者が選ぶ錯乱肢 (誤答選択肢) の種類と,受験者が達成している英文理解度との関係を調べることを目的としています。パラフレーズ質問は,文章中の明示的情報を言い換えることで質問と正答が作成され,大規模読解テストの問題の多くを占めています。一方,パラフレーズ質問の選択肢の言い換えの程度は項目によって異なることが多く,選択肢の文章中の記述を言い換えている程度が受験者に与える影響について検証した研究は多くありませんでした。本研究は,錯乱肢のパラフレージング・レベル (本文の明示的な表現を言い換えている程度) に注目し,誤答時にひきつけられる錯乱肢の分析を通した,受験者の英文理解度のより詳細な調査の試みについて,その独創的な観点が高く評価され,入選となりました。

2018年刊行の"STEP Bulletin" 第30号において,研究成果の詳細が掲載されます。

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