工藤 大奈さん（人文社会ビジネス科学学術院 人文社会科学研究群（博士前期課程） 人文学学位プログラム英語教育学 2年次、指導教員：人文社会系　卯城 祐司 教授）は、公益財団法人日本英語検定協会第35回（2022年）英検研究助成研究部門に入選し、2022年（令和4年）8月18日に入選証書の贈呈を受けました。（今年は新型コロナウイルスの影響から助成金贈呈式はオンラインで実施されました。）

この研究助成金制度は、実用英語の一層の普及・発展と英語能力検定試験の質的向上を目的に1987年に設けられました。英語能力テスト及び英語教育に関する研究企画を広く募集し、優秀な企画に対して助成金を交付し、10ヵ月間の研究後、その結果を公表する制度です。この制度には、研究、実践、調査の3つの部門があり、工藤さんが入選した「研究部門」は、英語能力の測定・評価に関し、その改善向上や英語教育に役立つものが要求されています。

今回助成の対象となったのは「グラフィックオーガナイザーを用いた心的表象構築プロセスの視覚化と評価」と題する研究です。

新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が求められています。本研究は、英文を読んだあとに心に残るイメージである心的表象を具現化したものとして、グラフィックオーガナイザー (GO) を採用し、英文読解中に読み手自身でGOを完成させ、読み手の理解度やそのプロセスを可視化していきます。また、読み手が作成したGOとそれに関わる小問の解答から、読み手の理解である状況モデル及び英文内容の整理段階を測定します。さらに、GOの評価について信頼性の高いルーブリックを開発することにより、深い理解の測定を可能とするルーブリック評価を提案し、実用可能性を検証することを目的としています。

本研究による読み手が構築した状況モデルを整理する図式化課題は「深い学び」としての英文読解の視覚化となります。深い理解の測定と評価することを目指している点が評価され、入選となりました。

2024年刊行の”STEP Bulletin”第35号において、研究成果の詳細が掲載されます。