生物・環境

普遍的な酵素の新しい機能の発見 ~銅アミン酸化酵素はユニークな 2 段階反応によりアルカロイドを分解する~

筑波大学 生命環境系 小林達彦教授、永久保利紀大学院生(現, 研究員)、熊野匠人助教らは、兵庫県立大学 太田雄大特任講師(現, 山口東京理科大学 准教授)との共同研究により、銅アミン酸化酵素(CAO)が、これまでに類を見ない新しい機能をもつことを明らかにしました。



図 CAO の反応機構 既知のアミン酸化反応(上段)と本研究で明らかにしたハルマリン分解反応(下段)の反応機構の概要図。
どちら もシッフ塩基中間体の形成を経るが、ハルマリン分解反応のみ基質の加水分解(赤矢印)が起こる。

アミン酸化酵素は、生体内でアミン(-NH2)を酸化してアルデヒド(-CHO)に変換する、生命活動に欠かせない反応を担っています。本研究では、アミン酸化酵素の一種であるCAOが、環状イミン(-CH=N-)の分解にも関わることを明らかにしました。さらに、詳細な解析結果に基づいて、CAOが、1環状イミンの加水分解、2その反応産物であるアミンの酸化、という2段階の反応を立て続けに触媒することて?環状イミンを分解するという新たな酵素反応のメカニズムを提唱しました。

PDF資料

プレスリリース
創基151年筑波大学開学50周年記念事業