生物・環境

モグラでは、肩甲骨よりも鎖骨が体を支える役割を担う

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(Image by kubais/Shutterstock)
 四足歩行する一般的な哺乳類では肩甲骨が体を支える主要な骨ですが、地中で生活するモグラ類では鎖骨がより大きな役割を担っている可能性を、骨の内部構造から明らかにしました。前足を大きく横に広げる独特な姿勢に適応し、肩周りの骨の中で力を伝える役割が変化していることが示唆されました。

 陸上で四足歩行をする哺乳類では、肩甲骨が体を支える主要な骨であるのに対し、地中で生活するモグラ類では鎖骨がより大きな役割を担っている可能性を、骨の内部構造から明らかにしました。モグラ類では、前足を大きく横に広げた「バンザイ」のような姿勢に適応して、肩帯(けんたい)と呼ばれる肩周りの骨の中で、力を伝える経路が変化していることが初めて示されました。

 四足歩行する動物では、体重を支えるときや穴掘りのときに地面から受ける力が、前足から肩帯を通って体へ伝わります。四足歩行する一般的な哺乳類では、前足を体の下に置く姿勢で歩くため、肩甲骨が地面からの力を体に伝える主要な役割を担うと考えられています。一方、地中で生活するモグラ類は穴を掘る生活に適応し、前足を体の横に大きく広げた姿勢をとります。この姿勢では、一般的な哺乳類とは肩帯への力の伝わり方が異なる可能性があります。

 本研究では、モグラ類の鎖骨と肩甲骨の内部構造を調べ、前足を体の下に置く姿勢をとる近縁種のジャコウネズミと比較しました。その結果、モグラ類では鎖骨と肩甲骨の両方がジャコウネズミよりも発達していましたが、骨の内部構造は鎖骨でより頑丈な特徴を示し、肩甲骨ではその特徴が弱いことが分かりました。反対にジャコウネズミでは、肩甲骨で強く、鎖骨で弱い特徴がみられました。

 これらの結果から、モグラ類では前足を大きく横に広げて使う独特な姿勢に伴って、肩甲骨を中心としていた力の伝わる経路が変化し、鎖骨がより重要な役割を担っていることが示唆されました。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学生命環境系
仲井 大智 特別研究員

掲載論文

【題名】
Bone histological evidence for posture-related load transmission in the talpid pectoral girdle.
(モグラ類の肩帯における姿勢に関連した荷重伝達の骨組織学的証拠)
【掲載誌】
Journal of Anatomy
【DOI】
10.1111/joa.70222

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