医療・健康
サッカーボール周りの空気の流れを可視化 ~縫い目の位置がボールの飛び方を左右する~
筑波大学 スポーツR&Dコアの洪性賛研究員、体育系の浅井武教授、及び山形大学地域教育文化学部の瀬尾和哉教授の研究グループは、実験風洞とPIV(Particle Image Velocimetry)計測システムを用いて、サッカーボール表面近傍の空気の流れ(境界層)を可視化し、パネルの形が空気の流れを変えるメカニズムを検討しました。
その結果、サッカーボール表面を構成している縫い目の位置が、境界層の剥離点に大きな影響を与え、サッカーボールの飛翔軌道を決定する大きな要因の一つになっていることが示唆されました。今回得られた研究結果は、サッカーボールの飛翔特性の理解、新たなボールの研究・開発やデザインに活用できるものと期待されます。
図 PIVを用いて可視化されたサッカーボール周りの空気流れ
縫い目(赤い矢印)が2つの場合(a)、剥離点は約 120°に位置(太い黄色の矢印)する。しかし、剥離が起こる所 (120°)に縫い目が位置する(b)と、その剥離点が少し後に移動(125°;太い黄色の矢印から赤い矢印の位置への変化)する。また、縫い目の間隔が比較的狭い(50mm)場合(c)、seam1で1回剥離が起こるが,直ぐ再付着しseam2後方で完全に剥離(140°)する。さらに、縫い目が3つある場合(d)、seam1とseam2で再付着が起こり、剥離点を最も後方(145°)に移動する。
図 PIVを用いて可視化されたサッカーボール周りの空気流れ
縫い目(赤い矢印)が2つの場合(a)、剥離点は約 120°に位置(太い黄色の矢印)する。しかし、剥離が起こる所 (120°)に縫い目が位置する(b)と、その剥離点が少し後に移動(125°;太い黄色の矢印から赤い矢印の位置への変化)する。また、縫い目の間隔が比較的狭い(50mm)場合(c)、seam1で1回剥離が起こるが,直ぐ再付着しseam2後方で完全に剥離(140°)する。さらに、縫い目が3つある場合(d)、seam1とseam2で再付着が起こり、剥離点を最も後方(145°)に移動する。