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褐色細胞腫・パラガングリオーマ患者は、 家族歴なしでも4人に1人が遺伝性~日本初の大規模調査で判明~

研究イメージ画像 (Image by Connect world/Shutterstock)


 褐色細胞腫・パラガングリオーマ(以下、PPGL)は、副腎や傍神経節から発生する腫瘍です。多くはアドレナリンなどのホルモンを産生し、高血圧や発汗など多彩な症状を呈します。肺や骨になどに遠隔転移することもあり、世界保健機関(WHO)は潜在的な悪性腫瘍と位置付けています。欧米の研究で、遺伝性の割合が高いとされていましたが、日本人を対象とした包括的研究はありませんでした。


 本研究では、日本人のPPGL患者370人を対象に遺伝子検査などを行った結果、患者全体の32.4%で発症原因となる遺伝子変異(病的バリアント)を生まれつき保有していたことが判明しました。また、驚くべきことに、家族歴や特徴的な随伴疾患がなく散発性と思われていた患者の約4人に1人(24.8%)も病的バリアントを生まれながらに保有していました。さらに、病的バリアントを保有している患者は、バリアント陰性だった患者に比べて転移性の頻度が高く、特にSDHBと呼ばれる変異を持つ患者の36.8%が転移性でした。


 PPGLの患者の診断後、早期に病的バリアントの有無を確認することは遠隔転移のリスクを把握し、術後の適切なフォローアップにつながります。また、未発症血縁者におけるPPGLの早期発見や早期治療につながる可能性があります。本研究結果は、欧米のガイドラインで推奨されているPPGL患者の遺伝子検査を裏付ける内容でした。


 本研究は日本人の患者を対象とした初の包括的調査であり、PPGLに対する遺伝学的検査の保険収載に向けて、貴重な基盤データになると考えられます。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系
竹越 一博 教授

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