医療・健康

在宅医療患者の頻回往診を予測するリスクスコア開発〜高齢者の医療介護レセプトデータを活用〜

研究イメージ画像 (Image by Halfpoint/Shutterstock)

 我が国における在宅医療の需要が増加しています。日常的な地域医療に対応するプライマリ・ケア医が在宅医療を担うことが期待されていますが、患者の急変などに備えて待機する24時間のオンコール体制は、プライマリ・ケア医にとって負担となっています。在宅医療を受ける患者さんの中でも、短期間に繰り返し往診が必要となる頻回往診のハイリスク患者をあらかじめ把握できていれば、医療者側・患者側双方にとって、適切な準備や医療資源配分の一助となる可能性があります。しかし、頻回往診の発生を予測するリスクスコアは、これまで存在しませんでした。


 本研究では、茨城県つくば市及び千葉県柏市の医療レセプトと要介護認定調査を連結した匿名化データセットを用い、訪問診療を新たに開始した65歳以上の高齢者における頻回往診(平均月1回以上の往診と定義)を予測するリスクスコアを開発しました。


 分析の結果、在宅酸素療法(3点)、要介護度4-5(1点)、悪性腫瘍(4点)の三つの変数で構成される簡便なリスクスコアが、頻回往診の良い予測能を示しました。


 本研究成果が臨床現場で活用されることにより、頻回往診のハイリスク患者に対する適切なケアや、プライマリ・ケア医の負担軽減に役立つことが期待されます。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学 医学医療系/ヘルスサービス開発研究センター
田宮 菜奈子 教授

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