医療・健康

軽度認知障害(MCI)の新しいスクリーニング方法を開発~アルツハイマー病の早期治療介入を可能に~

研究イメージ画像 (Image by Ljupco Smokovski/Shutterstock)

 認知症やその前段階である軽度認知障害(MCI)の患者の多くは、歩行に異常が生じたり転びやすくなったりするなどバランス障害を伴うことがよく知られています。本研究チームは、小児から高齢者まで幅広い年齢層を対象にバランス能力測定を行っており、その中で測定結果と認知機能との関連性に早くから着目してきました。


 今回、本研究チームはバランス能力を測定する新しい指標VPS(姿勢安定性視覚依存度指標)を開発し、これを用いれば軽度認知障害(MCI)の高感度なスクリーニングが可能となることを臨床研究により実証しました。


 また、本法(VPS)の測定には体の揺れを捉える重心動揺計を用いますが、その計測機器として任天堂ゲーム機用の「バランスWiiボード(WBB)」が活用できることを示しました。具体的には、WBBからBluetooth通信でパソコンにデータを取り込み解析するWindows用アプリケーションを開発し、MCIスクリーニングに活用できることを示しました。これは、低コストで簡便かつ高感度にMCIのスクリーニングを行えることを意味します。


 本成果に基づき、MCIの早期発見システムの社会実装を目指す筑波大学発ベンチャーが創業準備中です。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系ニュートリゲノミクスリサーチグループ
矢作 直也 准教授


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